各国・地域の中央銀行が講じた金融緩和で不安の多くが取り除かれた

世界の債券市場にあって、中国不動産開発会社のトラブルが

目立っています。そのなかのひとつにファンタジア・ホールディング・グループ

があります。そこで今回はこの不動産開発業者とディストレスト債

について調べてみました。

ファンタジア・ホールディングス・グループとは

この会社は香港の投資持株会社です。

【事業内容】は５つの部門を通して運営しています。

不動産開発事業は中国において不動産の開発・販売を、

不動産投資事業は投資不動産の賃貸を、不動産代理サービス事業は

不動産代理及びその他関連サービスの提供を、

不動産運営サービス事業は不動産管理、セキュリティーシステムの取り付けと

その他関連サービスの提供を、ホテル運営事業はホテル宿泊、ホテル管理

および関連サービス、食品や飲料販売およびその他のサービスの提供を

それぞれ行う。平成23年12月31日現在、同社は​​珠江デルタにおいて、

計約842931平方メートルの計画総床面積と約649285平方メートルの

販売可能面積を持つ４つのプロジェクトまたはフェーズを建設している。

同社の子会社には、Winning Sky International Limited等があります。

ディストレスト債とは

ディストレストを直訳すると困窮した、行き詰まったと

いう意味になります。

経営破たんや経営不振による財務危機に陥り、行き詰っている

企業に対する債権を「ディストレスト債」といい、その企業が

発行した株式や債券を「ディストレスト証券」といいます。

投資家は、財務危機に陥った企業の株式や債券などディストレス証券に

投資することで、当該企業の経営再建が成功した際には、

大きな収益を得ることが可能です。しかし経営再建が

失敗した場合、投資資金の回収が難しく、大きな損失が

生じてしまいます。そのため、ディストレス証券への

投資は、ハイリスク・ハイリターンの投資となります

投資にあたって、ディストレス証券の発行企業の価値を

見極めることは難しく、通常の投資とは異なる知識や経験が

必要となります。そのため、一般投資家が参加しづらく、

ディストレス証券への投資は、これを専門とする

ヘッジファンドが主に行なっているのが現実です。

企業価値の見極めが難しく、一般投資家の参加が限られている

ディストレス証券は、実際の企業価値に比べて割安に評価されている

可能性があるといえます。一方、ディストレス証券の価値は経営再建の

成否の可能性に左右されやすいため、当該企業固有の理由によ

る影響から、更なる価値の減少につながることもあります。

ディストレスト債市場の現状は

ブルームバーグが12日にまとめたデータによると、ディストレスト水準で

取引されているドル建て債1390億ドル（約15兆7900億円）のうち、

46％が中国不動産セクターの社債だ。利回りがベンチマーク金利を

10ポイント以上上回る債券は、ディストレスト債と見なされます。

中国不動産セクターでは債務返済圧力が高まりデフォルト（債務不履行）が

増えていることから懸念が広がっており、中国の発行体による

投資不適格級（ジャンク）格付けのドル建て債は、利回りが

約10年ぶり高水準に達しています。

まとめ

このようにエバーグランデの社債利払いの不履行から

中国の以前は優良だった不動産ディベロッパーに

波及しています。ドル建てディストレスト債市場

の約５０％が中国不動産関連と占有しているという

事態に陥り、今後どのような影響が及ぶか懸念

されるところです。

エバーグランデの破綻後のゴールドマンによる中国不動産市場の３つのシナリオは！？