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ビルファン氏(アルケゴス・キャピタル)の経歴とトータルリターンスワップとCFDとは!?

ビルフアン氏が代表を務めるアルケゴスに関連して金融機関が多額の

損害が出ているということで、金融業界だけでなく、マーケット全体に

大きな波紋を招いています。

先日野村ホールディングスが2200億円の多額の損失のポジションを明らかに

しましたがその理由はアルケゴス・キャピタルというヘッジファンドが

背後にあるようです。

さらにクレディスイスも多くの損失を出しているということで問題は

大きくなっています。

そこで、今回はこのアルゴゲス・キャピタルの代表者である、ビルファン氏

について、そしてこの損失の背景について調べてみました。

ビルファン氏の経歴は

フアン氏はタイガー・マネジメント出身だが、タイガー時代はウォール街や

ニューヨークの社交界では無名の存在だったようです。

タイガー・マネジメントが閉鎖される中で同ファンドを離れた同氏は

ロバートソン氏の支援を受けながら自身のタイガー・アジア・マネジメントを

約10年間運営し、リターンがトップレベルの大規模ファンドに育て上げた。

12年、フアン氏はタイガー・アジア・マネジメントにおけるインサイダー取引での

有罪を認めた後、同ファンドを閉鎖しました。米司法省によると、同ファンドは

08、09年に不正利益1600万ドルを得ていました。

同氏はファンド閉鎖直後にファミリーオフィスのアルケゴスを立ち上げた。

アルケゴスは大規模なトレーディングを矢継ぎ早に行うことで財を増やしたが、

フアン氏はこのような手法について語ることはなかったようです。

ビルフアンシは有名な金融機関の出身でそこで腕を磨き、紆余曲折しながら

現在のアルケゴスを設立しました。

アルケゴスショックについて

アルケゴスショックとも言える今回の問題はブルームバーグが

下記のように報じております。

野村ホールディングスとクレディ・スイス・グループは米アルケゴス・キャピタル・マネジメント

の大規模な株式ポジション巻き戻しで「多額の損害」を被る可能性がある。

両社の株価は29日の取引で急落した。

ビル・フアン氏が運営するファミリーオフィスのアルケゴスに資金を貸し付けて

いた銀行は、アルケゴスが先週マージンコールに応じられなかったことを

受け影響の封じ込めを急いでいる。

アルケゴス関連の200億ドル(約2兆2000億円)を上回る規模のポジションが

強制的に解消されたことで、百度(バイドゥ)やバイアコムCBSなどの株価が

大きく変動したほか、ウォール街の大手金融機関が容易にしている不透明な

レバレッジ取引の世界に視線が集まった。

取引について知る複数の関係者によると、レバレッジの大半はスワップを通じて

銀行が提供していた。ポジションは銀行のバランスシート上にあるため、

アルケゴスは規制当局に保有高を報告しなくてもよかった。

出典:ブルームバーグ

株式トータルリターンスワップ手法とは

こちらの株式におけるトータルリターンスワップ手法について

紹介したいと思います。

例えば想定元本:100万ドルとした場合は

以下の株式リターンを四半期ごとに受け取ることになります:

S&P500株価指数の四半期ごとの変化率×想定元本×90/360

以下の変動金利を四半期ごとに支払う:

USD Libor3M + 0.20%

トータルリターンスワップでは、株式のリターン全てを受け払いする

ことになります。つまり、株価の変化率に加えて、配当の受け取りが

あれば、それに応じて追加で現金を受け払いします。

配当に関する受け払いを行わず、株価リターンのみを受け払いする

エクイティスワップの場合は、プライスリターンスワップといいます。

配当なしの場合、直近の四半期で株価の変化率がマイナスであれば

(株価が下がっていれば)リターンはマイナスなので、株式リターンの

受け取りの契約であっても、逆に支払うことになります。

この場合野村は、上の例のような変動金利のケース

固定金利のケースの両方で受け取っていた可能性があります。

重要なこととして、株式リターンの受け手は、実際にその株式を

保有する必要がない。

外国からの投資が規制されている国の株式について、その現物株を

保有できなくても、株式リターンを受け取るトータルリターンスワップに

入ることで、株式を保有しているのと同じリターンが得られるところが

ポイントです。また、株を売ってしまうと議決権が行使できなくなりますが

株価下落を予想していても議決権を手放したくない場合には、株式リターンを

支払うトータルリターンスワップに入ることで、株価下落からの

リターンを得ることができる。

このように、アルゴケスと野村のような投資銀行とあいだで

このようなデリバティブ取引をおこなっていた可能性が高いです。

基本はオフバランス取引なので、なかなか表にでなかった取引

であったと思われます。

一言でいえば、原資産による損益と、金利を交換する契約のことである

(スワップとは「交換」を意味する)。以下の例に基づいて取引の概要と、

この取引を行う目的について説明する。

A社が、ある資産(株や債券など)を保有していたとする。

A社がB社とトータル・リターン・スワップ契約を結ぶとき、

B社はA社から、A社が保有する資産から生じる、配当、利払い、

資産価値の増減等のあらゆる損益(トータルリターン)を受け取る。

一方、B社はA社に対し、定期的に金利支払いを行う(手数料のようなイメージ)。

金利の水準は、ベンチマーク(従来はLIBORが一般的)

となる金利+α、と言う形で、契約毎に定められる。

資産によるリターンがプラスの際には、B社はA社からそのリターンを

享受できる訳だが、反対に、リターンがマイナス(損が出た)

のときには、B社はA社に対して損失分を支払わなければならない。

A社は損失をB社から補償してもらっている、という意味で、

A社はプロテクションの買い手、B社はプロテクションの売り手、とも呼ばれる。

トータル・リターン・スワップの目的

スワップ取引は、取引する双方の思惑が合致した際に初めて成立する。

トータル・リターン・スワップ契約が成立するとき、

双方にどのような目的があるのだろうか。

①プロテクションの買い手(A社)

プロテクションの買い手である企業Aにとっては、資産価値の

下落などによって損失を被ることを防ぎたいという目的がある。

保有している資産が社債であれば信用リスク、株であれば

市場リスクの回避ということになる。

つまるところ、プラスのリターンを全て受け渡すのと引き換えに、

金利の受け取りと、損失が発生した際の補償を享受できる、

ということである。

保有資産のリスクを回避したくても資産の売却が難しい場合に

リスクヘッジとして利用されたり、金融機関が投資家からの

金利収入のために利用することもある。

②プロテクションの売り手(B社)

金利手数料と引き換えに、資産を保有することなく、資産から

生じた利益を受け取ることができるというメリットがある。

もちろん損が出るリスクはあるが、それは実際に資産を持

った場合でも同じことである。ポジションを持たずに

株式等からのリターンを得たいヘッジファンドなどが利用することもある。

CFD取引とは

CFDとは、わかりやすくいえば、差金決済取引のいみで、取引開始時点から

取引終了時点に発生した差額分を決済する取引です。CFDでは、取引を行う際、

実際に資産を保有することがないところがポイントです。

マーケットが客に有利な方向に動いた際に利益を得ることができます。

CFDは、デリバティブであり、原資産の価値に連動する取引です。

CFD取引では、ポジションをオープン(保有)してクローズ(決済)したこと

により生じるオープン価格とクローズ価格の差金が損益となります。

CFD取引の主なメリットの一つは、上昇でも下落でもいずれかの方向への

価格の動きを予測して、いずれの場合でも利益獲得のチャンスをえる

ことができます。いわば証拠金FX取引とかぎりなく似た側面があります。

レバレッジの要素は

CFDのもう一つの特長が同じ資金で通常の取引よりも大きな

ポジションを保有できることです。レバレッジ取引であるCFDでは

新規ポジションを保有する際にそのポジションの価値の全額を

支払うことはなく、それにみあった証拠金を支払います。

また、決済は変動した価格の差額分のみとなります。

利益は何倍にも大きくなる一方、損失も同様に膨らみ、

証拠金以上に拡大する場合もあります。

レバレッジ取引は、通称「証拠金取引」と呼ばれることもあります。

ポジションを建て、そのポジションを維持するために必要な資金を

「維持証拠金」と呼び、「維持証拠金」はその取引全体規模の

わずか一部のみを表しています。

価格変動により、保有したポジションに評価損が発生した場合、

口座への資金積み増し又はポジションの決済を促すマージンコールを

受ける場合があります。マージンコールを受けた後、十分な資金を

追加しない、又はポジションを決済せずにさらに評価損が増えた場合、

そのポジションは強制ロスカットされ損失が確定する場合があります。

今回の野村が大きなロスを被った背景には、このマージンコールの

トリガーに会い、対象となる株式の現物を売りに出そうとしたものの

大損が発生した可能性が高いです。

まとめ

今回は、市場に大きな波紋を及ぼしているアルケゴスの取引に

ついて推測してみましてみましたが、顧客側は、少ない資金で

フルにレバレッジをきかして、一方で投資銀行側は手数料ほしさ

に潜在的に莫大なリスクを背負っていたことがわかります。

今回のケースでの教訓となるものは、デリバティブ取引に

潜んでいるリスクは、トリガーを引くと莫大な現物取引を

もたらし、市場を壊してしまうような影響をおぼよす

取引となってしまうことがわかります。このヘッジファンド

は野村だけでなく、CSやゴールドマンといった数々の

投資銀行と同様の取引をしていた可能性が高く、先週

おきていた、ゴールドマンのブロックトレードもこれが背景

と言われています。彼らはいち早く動き、大きなダメージを

免れたともいわれています。

ドル円のベーシススワップとはなに?今急上昇の背景は?

 

プロフィール


Yoshi

こんにちは、Yoshiと申します。
約20年に及ぶ外資系銀行でのトレード経験を活かして金融情報を独自の視点で発信しています。FX市場に携わって約20年経ちますが、現在は他の金融市場(株式、コモディティ、暗号通貨)の関連性を含めて独自目線で情報提供しています。
主な資格:
米国公認会計士合格(ワシントン州)
お仕事依頼などの連絡先:
問い合わせフォームをご利用ください。

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