トランプ政権のGDP予想値3.5%は失望へとつながる?その時ドル円は?
トランプ政権が予算案の一部として策定した
暫定的な経済成長見通しを作成しています。
それは、他の機関や大半の民間予想よりはるかに
楽観的なものとなっているようです。
予算を通すためのGDP予想値?
経済成長見通しは、ホワイトハウスが議会に提出する
予算の一環として提示されます。数週間以内に
トランプ政権が提出することになっており、債務や赤字の
予想に大きな影響を持つことになります。
成長率が高ければ歳入は増加し、食費補助制度や失業保険と
いった施策に必要な資金が減ります。そのため赤字の予想額が
押し下げられるしくみとなります。
市場予想を大きく乖離した予想
経済成長の予想はトランプ氏が大統領に就任する前
に開始された。今後10年の国内総生産(GDP)成長率
は年率3~3.5%と予想しています。
トランプ政権の当初予想は、他の長期経済見通しと
異なっています。議会予算局(CBO)は、21~27年の
成長率を年率1.9%と予想。FRBの長期予想は1.8%ですが
それらを1%以上上回る経済成長予想を出そうとしています。
ホワイトハウスと他機関の見通しがかい離することは
多いものの、これほど大きなかい離は珍しです、
現在の市場もこの予想に基づいている?
こわいのは、現在の株式や為替市場が、この
ホワイトハウスの予想に基づいて形成されて
いることです。
減税やインフラ増資は、前提として現在の市場
は出来上がっているように見えます。
実際には、議会では、どの政策も全く前に進んで
いないどころか、閣僚すらいまだ承認されていない
事態にトランプ政権は瀕しています。
こわいのは、減税などの政策が後回しにされる
こと、共和党幹部は示唆しています。
そうなると、トランプ政権がやりそうなことは
自分の効力が及ぶ、貿易に圧力をかけてくる可能性
がやはり高くなってくることも予想されます。
こうしたアメリカの成長率を信じてドル買いを
すすめると痛い目にあいそうです。