ウォートンのジェレミー・シーゲル教授は、景気後退を懸念する

投資家が増える中、連邦準備制度理事会（FRB）の行き過ぎた利上げは

経済に長期のダメージを与えかねないという見解を述べています。

そのジェレミー・シーゲル氏が、２０２３年の株価やインフレ見通し

について、興味深い見通しを出しているので、紹介してみたいと

思います。

ジェレミー・シーゲル氏の２０２３年株価見通し

シーゲル氏は、他の株式市場の見通しとは異なり、2023年の見通しは強気で、

少なくとも20%の上昇を見込んでいます。それは、インフレが終わり、多くの投資家が

過小評価している回復力のある経済が到来すると見ているようです。

２０２３年のインフレ見通しは

賃金の伸びは前年比5％。インフレ率は8％です。

賃金がインフレに追いつけない状況です。

FRBの政策が、賃金を2％に戻すために、労働者に向かって

インフレに追いついていないので、利上げを実施しているということです。

これは非常識な政策である、とシーゲル氏は批判しています。

労働者が購買力を失ったからインフレを抑えようとする方策は

FRBは避けなければならないという考えは、シーゲル氏は非常に悪い

FRBの政策であり、インフレにはならないと予想しているようです。

２０２３年のFF金利予想は

１２月の利上げ幅は、シーゲル氏の感触では、50ｂｐｓです。

2月には、（利上げが）ないとも限らない。もしそうなれば、

株にもいいし、債券にも株にもいいとみています。

シーゲル氏は、これ以上50ベーシスポイントは必要なく

この50ベーシスポイントはそれ自体が多すぎると

見ています。

ジェレミー・シーゲル氏は、インフレは終わったとみており

他のすべての価格面は下落している、とみています。今おきているのは

賃金のキャッチアップであり、FRBはそれに逆らうような政策をとるべきではないと

主張しています。

債券利回りの今後の行方について。

債券利回りの行方について、成長率が鈍化しているので、

債券利回りは下がり続けるだろうと予想しています。

11月の雇用統計は、あまり良いものではなかった。そして、インフレ率も

低下する。この2つは、債券にとって良いことであり、株にとっても良いことだ

との見通ししです。

FRBがいつ利下げに転じるかについて。

25ベーシスポイントの利上げかどうかではなく、いつ利下げを行うかの

見通しについて、ジェレミー・シーゲル氏は、早ければ春に来るかもしれない

と予想してます。そして 2023年のリセッションの可能性について。

控えめに言っても、収益が重要で、FRBが引き締め政策を続けるなら、

私たちは不況に陥るだろうと予想しています。

収益は230ドル（S&P500の1株当たり）ではなく、200ドル、あるいは190ドルになる

可能性がある、と予想しています。

今年のGDPは1％を下回るだろうが、これはまだ不況ではない。

しかし、もしFRBが6%に利上げしたら、リセッションに陥るであろう

と予想しています。

9. 2023年の経済成長の可能性について。

“450万人の新規就業者がいるのに、GDPがほとんど増えないが

来年は給与の伸びがずっと低くなっても、GDPはずっと良くなると予想しています。

なぜなら、今年あった生産性の記録的な低下が、2023年には逆転することを

理由にあげています。生産性が上がれば、マージンも改善され、利益に貢献すると

ジェレミー・シーゲル氏は予想しています。

まとめ

ジェレミー・シーゲルの２０２３年の予想は、株価は上昇、インフレは

終息そして債券価格は上昇するというのが基本的な見方のようです。

その前提となるのが、FRBの金融政策が鍵となり、このまま利上げ政策

を続ければ、リセッションに陥るとも警告しています。

ジェレミー・シーゲル氏のメインシナリオは、来年の春くらいから、FRBは

利下げに転じ、それが株価にとってはプラスになるというシナリオのようです。

ジェレミーシーゲル教授の２０２２年のドル相場、外国投資そして株式相場の見通しは！