オランダ総選挙はウィルダース氏失速でルッテ首相の継続か?ユーロ相場への影響は?
オランダ総選挙は15投票が行われますが、
選択する政党は多岐にわたる。合計28の政党が
下院の定数150議席を争います。。オランダは多数の
小政党にわかれており、最も多くの議席を獲得した
政党が向こう5年間の政権を運営する連立与党を組み
連立政権が発足すれば第一党の党首が首相になるのが
通例です。
今回のトルコとの対立でルッテ首相に
現職のルッテ首相は反移民色を強めてきたリベラル派です。
先週末にはトルコとの外交論争に堂々と立ち向かったことが
ルッテ首相にたいする世論を好転させているようです。
それでも、ルッテ氏のリベラル陣営は下院の議席数を
現在の41議席から大幅に減らすとみられています。
一方でウィルダース氏のPVVは第一党を逃したとしても、
現在の12議席から最大8議席増やす公算が大きいとされて
います。
ウィルダース氏は30議席とらないと?
ウィルダース氏のPVVが第一党となって連立を組む権利を
得たとしても、全ての主要政党がPVVに協力しないこと
を約束しています。PVVはイスラム教の聖典コーランを
禁止し、国内にある全てのイスラム教礼拝所を閉鎖し、
オランダを欧州連合(EU)から離脱させることを望んで
います。
このような過激なウィルダース氏の影響力をもつには、
30議席必要と言われてきましたが、どうも今回は20議席
いくかいかないかにとどまりそうです。
欧州や米国への意味合いは
ルッテ首相継続でどうなる?
仮にルッテ首相が継続しても、移民政策は厳格化され、
難民への支援は減ると言われています。
ウィルダース氏は極端かもしれないが、一部ではイスラム系移民
に対するいらだちが募っていることが、今回のトルコに
対する外交政策であらわれました。
ルッテ氏がイスラム教徒に対する姿勢を強硬にしたことや、
オランダで開かれるトルコ系住民集会に参加しようとした
トルコ閣僚の入国を当局が拒否し集会を取り締まったことを
受け、ルッテ氏の人気は高まりました。
ユーロ相場の影響は?
ウィルダース氏が失速している状況は、先週から
伝わっており、市場はある程度この状況を織り込んだ
と思われます。
フランス大統領選への影響にも安心感が最近は
広がっています。
ドイツ国債が最近売られているのは、これも背景に
あると思われます。
次の焦点は、米国のFOMCでどういう予測をだして
くるかでユーロドル相場の展開が決まってくると
思います。