オランダ総選挙でPVVの躍進はユーロの波乱要因となるのか？

欧州に迫っている一連の政治スケジュールですが、

まずは、先陣を切ってオランダの総選挙が3月に

実施されます。

世論調査ではPVVがリード

ウィルダース党首は、ＰＶＶが有権者の支持を得て

２．３議席の上積みということでなく、本当に大きな

躍進を遂げる場合、他の党は自分と協力せざるを

得ないだろうと発言しています。

Peil.nlの最新世論調査によれば、ウィルダース氏が

率いるＰＶＶは下院（定数150議席）で30議席前後を

獲得し、第１党になると予想されています。世論調査で

ＰＶＶを追う自由民主党やキリスト教民主勢力、

労働党、グリーン・レフトといった既成政党は、

ＰＶＶと連立政権を組むことはないと表明しています。

他の欧州の政治イベントの呼び水に

最多の議席を得ることで必ずしもウィルダース氏が政権の

座に就くわけではないですが、EU発足以来の加盟国で

トップの支持を獲得すれば、他国の極右政党がそれぞれ

の選挙戦でまともさをアピールしやすくなることが

予想されます。

オランダの3月の選挙の注目点は、やはりPVVが

どこまで議席を伸ばすかが注目点です。過去最多は

2010年の議会選挙での24議席ですが、これを超えて30議席

前後を獲得した場合、PVVを除外した連立政権作りが

難しくなると懸念されます。オランダ議会選挙で

与党が大きく議席を減らすことは過去にしばしばあり、

その都度、連立政権の組み合わせも変化してきましたが、

今回はPVV以外で議席を伸ばしそうな政党が保守系

のキリスト教民主同盟（CDA）、左派の緑の党、高齢者

の権利擁護を訴える50プラスと、政策の重点をどこに

置くかがばらばらなってしまいます。

ルッテ首相率いるVVDは議席数を大きく減らし第2党になりそうです。

次期連立政権作りの中心になると見込まれていますが、

過半数の議席確保に5つ以上の政党が必要になる可能性

があり、政策のすり合わせが難航すると予想されます。

ユーロへの影響は？

直接的よりは、間接的に影響してくるとおもいます。

PVVが躍進すると、ユーログループ議長がオランダ

からであることから、今懸念されているギリシャの

新規融資の問題と、次の欧州の選挙の呼び水として

ユーロの頭は抑えられる展開が考えられます。

オランダ総選挙の注目点は、PVVが30議席を超えるか

どうかで、市場の反応が変わってくると思われます。