
6月5日のIMF返済先送りでギリシャの瀬戸際交渉はうまくいくのか?
6月5日が期限だった国際通貨基金(IMF)への債務返済を月末に先送りし、
6月中に期限を迎える4回分の返済を月末にまとめて行うというギリシャ政府の決断は、
交渉が決裂の危機に瀕していることを物語っているようです。
IMFはこうした一括支払いという選択肢を融資先の国々に認めていますが、
ギリシャの決断は重大な分岐点と言えます。IMFによると、これまでに
この選択肢を利用した国はザンビアだけです。ギリシャは返済能力がないのでは
ないかという根強い憶測があったにもかかわらず、これまで返済を続けてきました。
今回のことは返済の先送りでしかないかもしれないが、デフォルト(債務不履行)へ
の第一歩かもしれません。7月と8月には、欧州中央銀行(ECB)が保有しているギリシャ国債
(67億ユーロ相当)が償還期限を迎えます。
ギリシャの銀行への緊急流動性支援(ELA)に対するECBの対応にも影響を与えるかもしれません。
ECBのドラギ総裁は3日、状況の変化がギリシャ国債の担保価値にどういった影響を及ぼすか
分析すると述べています。。それでもECBの行動がギリシャに危機をもたらす可能性は低そうです。
そうした決断をするのは政治家たちだからです。
交渉が行き詰まっている主因は、ギリシャ政府にはユーロ圏にとどまり、
より良い条件を引き出す責務があるというスタサキス経済相が5日に言明した立場
につきます。。欧州諸国は何らかの譲歩を提示できるだろうが、それがギリシャ政府
が望んでいるほどの譲歩にはならないことも明らかのようです。そこで生じるのが、
ギリシャはユーロ圏にとどまる気があるのかという疑問です。
これは市場にとっても難題である。ユーロ圏の債務危機の歴史を振り返ると、
ギリシャと国際債権団は最後の土壇場で合意に達することが予想されます。。
しかし、ギリシャがユーロ圏離脱に向かっているとしたら、合意に漕ぎ着けるため
の4カ月近くに及んだ交渉の無残な失敗や5日の返済先送りは、その途中の節目ということになります。
市場のボラティリティはすでに高まっているが、ギリシャのせいではなかったですが、
今回、ギリシャが踏み出した瀬戸際への一歩で、市場はさらに神経質になることが予想されます。
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