
5月のFOMCステイトメントでFRBバランスシート縮小の示唆する理由とは?
FRBは3月のFOMCで政策金利を0.75〜1%に引き上げ、
年内に25bpの利上げをあと2回見込んでいることを示唆
しました。しかし今月のFOMCでは記者会見がないことから
見送りが予想されていますが、FRB幹部らは
米国債と住宅ローン担保証券から構成される
証券ポートフォリオについて、段階的縮小の
開始を年末までに示唆する可能性が高いと考えています。
FRBバランスシート縮小は規定路線?
米商務省が4月28日発表した1-3月期GDP
は前期比年率換算0.7%増にとどまりました。消費者信頼感調査が
大幅に改善し、株価も上昇したにもかかわらず、個人消費が
低調だったことが響いたかっこうです。しかしながら、
FRBが今回のGDP統計を特に材料視することもなさそうです。
その理由あh、個人消費の低迷が一時的な
要因によるものだった上、経済成長はここ数年、1-3月期に
減速しても春から夏にかけて上向くというパターンを繰り返
してきたいるからです。
インフレも低調だけれども
インフレも予想外に鈍化した。米労働省が発表した3月の
消費者物価指数は前月比0.3%低下、
価格変動の大きい食品とエネルギーを除くコアのCPIは同0.1%
低下という低調な状況が続いています。コアCPIが低下したのは
2010年1月以来、7年2カ月ぶりです。
それでもFRBは、米経済は完全雇用に近い状態にあるため、
今後数カ月でインフレはゆっくりと加速するという楽観的な
見方をくずしていないようです。
3月の失業率は4.5%と、前月の4.7%から下がり、約10年ぶりの
低水準となっています。
FRBの スタンレー ・フィッシャー副議長は4月17日の講演で、
大規模な緩和策を今後も徐々に解消していけば、「米経済の拡大が続く
との見通しを最大限まで高めるとともに、望ましくない影響が
海外に波及するリスクを抑えることができそうだ」と利上げを
示唆しています。
バランスシート縮小の理由は海外の安定
世界経済がより粘り強い成長を見せていることで、FRBは
最近の弱めの国内経済指標を以前ほど懸念しなくなっている
ようです。
イエレン議長は4月10日のミシガン大学での
講演で、「世界経済はかなり脆弱だったが、
現在は力強さや好調さをやや増しているようだ」とのいう
今後の利上げとFRBのバランスシート縮小にむけて自信を
もっているようです。