1-3月期中国のGDPの実態と表向きとのギャップについて
中国の第一四半期GDPでは企業の売上高の伸びは安定し、利益の増加は前期の
低水準からやや回復しているように見えています。
しかし、その一方で労働市場の著しい低迷が顕著となっています。。
それは民間企業での人員削減の増加が主因となり、雇用の伸びは2四半期連続で
大幅に縮小し、4年ぶりの小幅な伸びになっています。今後の雇用見通しも
同様に悪化しています。全般的に見て、1-3月期に人材を採用した企業の割合は
2012年の半分に減少しています。
その結果として2つの関連分野の軟調が目立っています。一つは設備投資で、
数年に及ぶ減少が引き続き加速しています。
1-3月期には設備投資がこれまでで最大の減少となり、過去最低水準を更新しています。
設備投資の減少はすべての規模の企業で明白でしたが、前年比での最も大きな違いは
国有企業との差が広がっています。国有企業の設備投資額は前年比で安定していたが、
民間企業では大幅に削減されていあす。
この調整が設備投資の縮小と人員削減を意味しています。
企業の大半は借り入れを行っておらず、その意向もないようです。
CBBがデータを取り始めて以来2番目に低い水準となっています。
社債発行も若干増加したが、昨年のピーク時の水準を引き続き大幅に
下回っています。
金融刺激策の話やその具体的な実施は、企業による資金調達にはつながっていない。
ことがわかります。これは13年以降変わっていません。
万能薬と思われている製造業からサービス業への転換が少なくとも、もう1四半期に
わたって中断されたという点を考慮すると、こうした傾向は特に不吉です。CBBのデータでは、
1-3月期にはサービス業の実績は絶対値で見て、製造業に匹敵したが、製造業は弱かった
前期と比較しても悪化しています。4-6月期のサービス業の設備投資と売上高の見通しは
ともに減少しており、サービス業への転換の確かな証拠は4-6月期にも見られそうにないです。
企業の雇用が悪化している状況においては、政府刺激策による表の数字の好転も一時的
なることが懸念されます。