1MDB事件とは?今後のゴールドマンサックスの見通しはどうなる?
FRBがゴールドマンサックスへの調査を強化するとの
報道がでました。
ゴールドマンの元バンカーがマレーシア当局の
資金調達に際していかにして同行の内部管理をすり抜けたかについて、
FRBが調査を強化すると、関係者の話として報じています。
ゴールドマン・サックス・グループは、同社のCEO
だったロイド・ブランクファイン氏が2012年、マレーシアの
政府系投資会社を巡る巨額汚職疑惑の渦中にある同国実業家
ロー・テク・ジョー被告と会っていたことを明らかにしました。
1MDB事件とは?
アラブ首長国連邦(UAE)アブダビの政府系投資会社「IPIC」と
アーバー・インベストメンツが、マレーシア政府系ファンド「1MDB」
を巡る汚職で損害を受けたとして、米金融大手ゴールドマン・サックスなどを
提訴しました。アブダビ系2社は自社の名前が犯罪行為のために使われたと
主張し、損失の補償を求めています。
訴訟対象としては、ゴールドマンで汚職に関与した元幹部の
ティム・ライスナー氏と同ロジャー・ウン氏、IPIC側で
1MDB案件に協力した元幹部らが含まれいます。
ゴールドマンは1MDBが12年と13年に発行した総額65億ドルの債券を
引き受け、約6億ドルの手数料を獲得しました。1MDBは信用力が低く、
発行時にIPICが債務保証を引き受けていました。その見返りに
同ファンドの幹部が賄賂を受け取ったことが明らかになっています。
1MDBはその後、経営不振に陥り、IPICが債務を肩代わりする事態に
発展しています。
ゴールドマンの見通しは?
30日の米株式市場でゴールドマン・サックス・グループの株価が
下落、一時3.3%安となっています。FRBが
同行への調査を強化するとの報道が嫌気されました。
政府系投資会社1マレーシア・デベロップメント(1MDB)が調達した資金は、
その後行方が分からなくなっています。
アナリストは、ゴールドマンの見通しを引き下げる動きがでています。
ゴールドマンの目標株価も225ドルと、これまでの280ドルから下方修正されています。
しかし、すでにこの事件でゴールマンはすでにかなり売り込まれており現在の
バリュエーションには、1MDBに関してネガティブと考えられる
シナリオの大半が織り込まれているとの見方もあります。
今後はゴールドマンに科される制裁金などが焦点となってきますが
科された場合でも、同行の事業に長期間影響が及ぶ可能性は低いとの見方も
優勢のようです。
したがって、IMDB事件の今後の焦点はゴールドマンの組織的な関与が
あったかどうかが焦点となってくると思います。