高まつつある欧州とロシアの緊張関係
ロシアのプーチン大統領が、トルコのエルドアン大統領
に表敬訪問しています。
その主な趣旨は、天然ガスパイプラインをトルコとの
間で建設する交渉のためのようです。
その背景には、当初計画していた欧州向け天然ガス
パイプライン開発計画を取りやめて、新たなガス
供給先を求めてのものです。
プーチン大統領は、制裁を受けている国との取りやめて
制裁に加わっていない国々との関係を強化しようと
しています。
欧州との計画は、2012年に欧州の年間ガス消費の10パーセント
を供給するための、黒海経由のパイプライン建設が始まって
いましたが、この契約がEUの規則に反していないかどうか
調べるために、ブルガリアは建設を中断していました。
今回は、この契約を破棄して、トルコとのガス供給を模索して
の交渉のようです。
ただ、欧州としては、すでにロシアとのガスエネルギー依存が
30%に達していることのに懸念をしめしていたので、今回の
ロシアの行動には、懸念を抱いていないようです。
トルコには、NATOから、ロシア制裁に加わるように要請されて
いたため、トルコの複雑な事情が反映されているロシアとの
経済交渉といえます。
エルドアン大統領は、ロシアのシリアを支援している状況と
ウクライナ問題を激しく非難している一方で、エネルギー支援
では、別にして交渉にのぞんでいるようです。
一方で、ロシアは欧州という稼ぎどころを失いつつあるなか、
新たな市場開拓に躍起な姿が伺えます。