金融決定会合後の展開は?
ここのところの為替の流れは、強いもの順に並べるとユーロ、ドル、そして円
あるいはユーロ以外の欧州通貨の順がはっきりしていまいした。
ユーロの対円では昨年の選挙前の流れからほとんど調整なく120円をつけると
いう約20%の調整を約一ヶ月の間でこなしたことになります。
この動きの背景には昨年ユーロの債務危機を背景に売られすぎていた部分の買い戻し
と日本の“アベノミクス”にたいする警戒感からの円売りです。
そうなると来週行われる日銀金融政策決定会合は当面のユーロ円相場をみるうえで
とても重要なイベントになりそうです。
そこで今回は今週の政策決定会合での結論で市場がどのような反応するのか、
占ってみたいと思います。
今週行われる日銀政策決定会合で10兆円規模の資産購入基金の増額、そして2%の
インフレを目標とすることを盛り込んだ政府間とでなんらかのかたちで合意することは、
市場はほぼ織り込んだうえでの相場展開となっていることが予想されます。
上記の内容程度にとどまる決定内容であれば円相場は一時的には、”sell on fact”
の相場展開、一時的に過熱しすぎの相場の調整になりやすと思います。
逆に予想を上回るサプライズとなる決定内容としては。
1.現在の0.1%の日銀の当座預金に対する付利金利を撤廃する。
2.現在の資産購入基金と輪番オペレーションの枠を撤廃し、目標達成にむけて
無制限に資産購入する。
3. 政府が日銀のリスク資産購入でかりに生ずる損失に関しては補填する。
上記のプチサプライズ要因が今回の決定会合で織り込まれるようなことになれば、
この過熱感があるなかでも調整なしですすんでいくことも想定しないといけないかもしれ
ません。
ただ上記の3点を合意するということは、実質中央銀行が自らの負債サイドの
コントロールを放棄したものに近いかたちとなると思いますので、この場合には
円安がどうのこうのだけではなく、別の負のリスクを今後は考えないといけないと
個人的には思います。