
豪ドル円(AUDJPY)の2018年後半見通しはS&P格付け見直しで上昇し続けるか?
今年の前半は逆風が吹いていた豪ドルに
ポジティブなニュースが飛び込んできました。
格付け会社S&Pグローバル・レーティングが
オーストラリアの格付け見通しを「ネガティブ」から
「安定的」に引き上げたのです。
ここ最近はAUDJPYも上昇に転じていましたが
このニュースをきっかけに豪ドル円は中長期的にも
底をすでに打ったのかどうか分析してみたいと思います。
S&Pがオーストラリアの格付けを見直した背景
オーストラリアが2020年代の早い時期に財政黒字を
回復すると予想されていることが背景です。
オーストラリアの現行格付けは最上級の「AAA」ですが
これは、日本の現在の格付けが、イタリア並みに落ち込んだ
いる状況を考えると、はるか何ノッチも上です。
しかも今回オーストラリアは、見通しが安定的に変わった
のです。ということは、最高格付けのままで当分は
留まるということです。
S&Pは発表資料で、「力強い労働市場と比較的堅調な
商品価格に支出抑制が加わり、底堅い歳入の伸びを
支えると予想している」と説明しています。
「不動産価格の秩序立った巻き戻しが続き、そうした
鈍化によって個人消費や金融システムの資産の質が大きく
圧迫されることはないだろう」と予想しています。
S&Pは2016年7月以来、豪州の格付け見通しを弱含みと
していましたが、今回これが安定的に変わったのです。
いっぽうで円はどうか?
一方で日本の格付けはというと、シングルAプラスです。
オーストラリアのトリプルAのしかも安定的な格付け
に比べると相当な差があります。
要するに世界は莫大な日本の財政赤字を気にしているのです。
ご存知のように、日本の国債は、実質日本銀行がファイナンス
しているのが現実です。
日本国債マーケットは、実質機能していないのが現状で
日銀が国債を買わなくなったらどうなるのか、予想するにも
おそろしい状況です。
まとめ〜今後の見通しは
今年の8月くらいから豪ドルが反転し始めて
いる背景には、オーストラリアの経済が
反転し始めていることも理由にあげられます。
テクニカル的にも、豪ドル円は二番底を形成した
フォーメーションにもなっており、この最近の
反転で、ダウンチャンネルの抵抗線もブレイクしよう
としています。これだけファンダメンタルズと
テクニカル分析が適合することも珍しく
個人的にはAUDJPYは、中期的スタンスで買い持ちを
維持したいと思っています。