習近平への一極政策が崩れてきた株安と人民元安とそれに伴う円高とユーロ高は続く
週末アメリカの雇用統計が予想をはるかにこえてよかったにも関わらず、
株式市場の下落は止まりませんでした。
その背景は、中国への懸念がもっとも大きな要因となっていますが
そこには、中国の政策期待に対する失望も多分に含まれています。
その中国の対応の失望とはなにかといえば、習近平の独裁的一極集中的
な決定機構にほころびが見え始めていることが大きいようです。
その結果、李克強首相の職務は縮小しています。李氏の前任者は経済運営を担当
していましたが、李氏が歴代首相ほどの自主性を発揮することは今はありません。しかし、
事態が極端に悪化する場合、李氏は責任転嫁される可能性があります。
そして当局の混乱は、経済政策を決定する中枢部の矛盾を映し出しているようです。
中国の指導部は一方で、消費者主導の経済成長への移行を乗り切れるように市場の効率化を図りたい
と考えています。また一方で、中国政府は実際には自由市場を信頼せず、規制で市場を誘導するほうを
好んでいます。そして最大のダメージをもたらしかねないのは、安易に打ち出され、まともに実行されない
今回のサーキットブレーカーのような官僚的介入の発想です。
そこで喫緊の問題は、過去最高の水準にある資本の逃避が加速することです。株式市場や
外国為替市場での信頼感の危機は、まだぜい弱な実体経済に飛び火しかねない。さらに厄介
なことに、中国の指導者たちは短期的な成長を犠牲にしてまで、長期的な見通しを確かなものに
するために必要な経済改革を進めることにますます慎重になり、いずれは海外の投資家からの
信頼を失うスパイラルに陥る可能性が高くなってきました。
人民元安政策については、人民元が過去3年の間に対ユーロや円に対しては、約30%近く高くなった
ことで、中国経済の屋台骨である製造業の痛手を少しでも和らげようとするものですが、そこには
株安やそれに伴う海外からの資本逃避という問題にも直面しています。
この袋小路にはいってしまった状況を考えると、リスク・オフにともなう円買い、ユーロ買いはまだまだ
これからなのかもしれません。
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