緊張高まる北朝鮮の脅しでドル円はどうなるのか?結局ユーロ高になる?
いよいよ北朝鮮と米国との全面戦争の可能性が冗談ではなくなって
きました。
トランプ米大統領が北朝鮮に対して「世界がいまだ目にしたことのない
ような炎と怒りに直面するだろう」と警告したことを受けて、
北朝鮮はグアム近郊へのミサイル発射を事前通告しています。
北朝鮮の朝鮮中央通信は、金正恩朝鮮労働党委員長が軍に対し
米領グアム島の基地に向けたミサイル攻撃作戦について慎重に
検討するよう命じたと伝えています。
ドル円は下落するマーケット
朝鮮半島の緊張が高まったときに円高が進むことは
これまでも何度かありました。このことは一部の投資家層にとって、
核武装の道をまい進する独裁国家と日本との近距離に対する懸念
よりも、リスクオフに世界の市場が転化することにより
ファイナンス対象通貨である円に対してのリパトリエーション
が起こるのではないのかという懸念です。
この北朝鮮と米国のニュースを受けて東京外為市場で円は上昇し、
1ドル=109円台後半で取引されました。
円へ回帰(円高になる)していく原因は
何の不安もない場合、投資家はリスク志向を強め、ハイリスク・ハイリターン
の投資先として新興国通貨やドルを買う傾向があります。
ゼロ近い金利で借り入れた円資金を他の高金利通貨に転換して
運用する「円キャリー取引」を行う投資家がいまだに多いの
が現実です。
こうした不測の事態が起きそうになった場合、円キャリー取引を
行っていた投資家はポジションを解消する傾向にあります。
この場合、借りていた円を返済するために円を買うこととなり
ます。これがいわゆる円キャリートレードのリパトリエーション
と言われています。
そしてもう1つの円高要因は、日本の機関投資家が海外から
資金を引き揚げるという観測もながれています。
結局ユーロが上昇する
とはいっても、この北朝鮮の脅威が日本が地政学的にリスク
にあるのも事実です。そこで、この懸念に対して、一番予想
される動きはユーロが対円でも上昇するのではないかと
思っています。
ユーロは北朝鮮問題からも離れており、またファンダメンタルズも
改善しています。
この夏の相場に注意が必要です。