米10-12月米GDP速報値は織り込み済みで昨日は日銀マイナス金利導入で振り回された
2015年10-12月期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は、
前期比年率換算で0.7%増加、予想の0.8%も下回る結果となりました。
世界経済の弱さと金融市場の混乱を背景に米国の成長の勢いが衰えつつある結果
となっています。
10-12月期のGDPの伸びは、7-9月期の2%増や4-6月期の3.9%増を大幅に下回っています。
15年通年ではGDPが2.4%増加し、14年並みの成長率となっていますがリセッション(景気後退)
から抜け出した2010年以降の平均(2.1%)とほぼ同水準にあります。
その内容をみると、マイナス要因となったのは在庫投資と貿易、企業の設備投資でした。
ただ在庫投資は変動が大きく、10-12月期に減速した後、2016年1-3月期に改善する可能性
もあります。また純輸出の落ち込みもドル高と海外の動向を反映しています。
一方、個人消費の伸び鈍化と企業の設備投資の減少は懸念されそうだ。
10-12月期の個人消費は前期比年率換算2.2%増で7-9月期は3%増から失速しています。
ガソリン価格は下落し雇用も安定的に拡大しているが、消費者が慎重な姿勢を崩していない
様子を示しています。
それでも通年では個人消費が前年比3.1%増となり、約10年ぶりの高い伸びを記録している
ことで、個人消費については見方が分かれています。
企業の設備投資の尺度である非住宅固定投資は10-12月期に1.8%減少した。
原油安を受け、とりわけエネルギー業界の設備投資は通年で35%減少し、約30年ぶりの
大幅な落ち込みを記録、一方で10-12月期の住宅投資は8.1%増加しています。
10-12月期の政府支出も拡大。連邦政府の非国防費は1.4%増、国防費は3.6%増となっています。
こうみてみると、手前の10-12月は失速しているものの、個人消費について、
昨年一年を通してみると堅調だったといえるようです。しかも下落の要因に変動の激しい
在庫投資が含まれているだけに、今年の1-3月期はリバンドする可能性もあります。
それよりも、昨日は日銀の不意をついたマイナス金利導入に市場が振り回された結果
となったようです。
昨日はこれをきっかけに世界的にリスクオンになったために、ドルの買戻しにも勢いがついた
感じです。ただユーロドルについては、レンジ内の動きを離れていないので、本質的にはなにも
かわっていないファンダメンタルズにおいて来週からの株価の動きなども注意したいところです。
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