
米国発の長期金利の上昇がユアンと中国国債市場の暴落に波及していく?
金融緩和を実施している中国にとっての難題がふりかかってきました。
米国が利上げを実施しましたが、アメリカの金利上昇が中国にも
波及してきています。
10年物の中国国債利回りは3.4%と、1年4カ月ぶりの高水準を付けました。
経済成長の減速や資本流出、さらに資産バブルへの懸念を背景にした
債券売りは11月末に始まり、今週はその勢いが増してきています。
国債先物市場では10年債価格が2%、5年債価格が1.2%それぞれ下落し、
過去最高の下落率を記録したため、取引が一時停止されました。
当局は金融緩和を続けられるのか?
その後、中国人民銀行が短期金融市場に220億ドルを供給したことを
受け、先物の取引が再開されましたが、FRBが2017年の利上げ回数予想
を3回(従来予想は2回)に増やしたことにに意表を突かれる形となりました。
中国の投資家は、FRBの利上げを受け、足元の人民元安・ドル高や資本流出を
食い止めるため人民銀も利上げする可能性も否定できないと考えはじめて
いるようです。
だが、債券相場の下落により、人民銀が抱える政策上のジレンマはますます大きく
なっています。人民銀は最近、短期融資の引き締めに動いたことで、投機筋が
資金を簡単に調達できないようにしたいます。問題は、そうした引き締め
措置は債券相場の暴落を招き、流動性が干上がる中でパニックを生む恐れが
あります。
今秋から始まり足元で強化されている中国の流動性引き締めたことにより
資産運用会社の多くは多額の債務を抱えているため、債券価格が下落する
可能性が高くなったとの見方が増えています。