米国の景況指数が軒並み下落しているなか”インフレなき経済成長”は本当に続くのだろうか?
引き続き米国経済はgoldilocksの状態 “インフレなき経済成長”
の状態にあります。
この状態は本当に続くのでしょうか?
ただ現状この見方に対して懸念となるのは、ここ最近の
ビジネス調査結果です。7月の製造業景況指数は56.3に
落ち込みました。
サービス業景況指数も53.9に下落し、シカゴPMIも58.9に下落
しています。これらは依然として拡大期の数字を示している
もののピーク時からは失速しています。
非製造業景況指数の失速は、新規受注(55.1,-5.4)の下落と
ビジネスアクティ(55.9,-4.9)が下落したことが要因となっています。
また雇用指数ml(53.6,-2.2)で4月以来の低水準に
下落しています。また納入出荷(51.0,-1.5)は、景気総合指数の
悪化の要因となっています。
雇用とグローバル経済は堅調のようだが
しかしながら、欧州の経済成長は引き続き堅調です。
中国のCaitin製造業PMIも堅調です。銅や鉄鋼相場も上昇基調を維持し
中国の経済成長は不均衡ながらも、直近は問題となっていない
ようです。
7月の米雇用統計もとても良い内容でした。とりわけ経済は完全雇用
状態で、7月の雇用者数は20万9千人増加しています。
この増加数は全体に行き渡っており、失業率も4.3%に下落しています。
労働市場の流入は支えとなっていて、将来の生産性にも貢献する
との見方で株価も上昇しています。
週の失業者申請件数も引き続き低く、これも支えとなっています。
景況指数は先行指数である
直近の主な不安としては、当社の経済見通しがすでに
リスクアセットの価格に反映してしまっているかどうかです。
現在の究極的に低い株価のボラティリティーや株価収益率
は、不安の源泉となっています。
結論としては、景況指数が失速し始めているなか
インフレなき経済成長が今後も持続すると考えるのは
危険だと思います。