異次元の金融政策の後は異次元の市場の動き?
このたびの日銀金融政策の評価については専門家の人に任すとして、
問題なのはそのあとの市場の動きです。
今回の日銀の金融政策は、予想されていた以上のプリンティング・マネー
政策を発表しました。
今回の決定には、日銀新総裁のリーダー・シップと決断力が発揮されたと
絶賛される声も聞こえてきますが、決定内容のポイントは日銀券ルールを一時的
に凍結させて、それに代わる財政ファイナンス抑制のための
代替案もなく、新発債の約7割の国債を日銀が購入することになるということ
につきると思います。
金融市場調節目標も現行のO/Nコールレートからマネタリー・ベース
へ変更。2012年末の実績138兆円規模が2014年末には270兆円
の約2倍に膨らませる見込みです。
毎月の長期国債のグロスの買い入れ額は7.5兆円規模になり、2013年度
の発行予定額の126.6兆円のうち計算上毎月の発行額の約70%
を日銀が買うことになります。
今まは、財政ファイナンスと意識されないために発行年月別規制が輪番オペに
ありましたが、新方式の基ではこれも外されます。
これによって、業者が入札した国債を日銀が買い取るという市場機能を失わせ
るような状況が起きる懸念もあります。
その警告とも思える動きは翌日の市場でおきました。10年国債は発表うけて0.32%
まで買われましたが、その直後一瞬して0.62%まで売られるというめったに遭遇しない
国債市場の乱高下に直面しました。
約3か月かけて上昇していた値幅をほんの数分でいっきに潰してしまう市場。
異次元の政策をうけて異次元の市場のはじまりかもしれません。
為替のユーロ円相場でも、ユーロの不安材料が占有しているものの、対円となる
と異次元の動きとしてとらえるべきかもしれません。