現在のユーロドル先物が逆イールドカーブなったことで今後の予想は?
イールドカーブのフラットニングが進んでいたなか
長期エンドの金利に投資家の全注目が集まっていました。
そして、金融危機以来、今回はじめてユーロドル先物金利カーブ
が2020年に利上げの可能性よりも利下げの可能性が
高いことを示唆する逆イールドに転じています。
ユーロドル金利先物の逆イールドが意味すること
ユーロドル金利先物2019年12月と2020年12月の間の
スプレッドは、今週初めてゼロ水準を下回りました。
そのことは短期金利をみているトレーダーたちは、
来年以降、中央銀行が利上げをするとは思っていない
ことを意味しています。そして実際には、2020年には
金利引き下げの可能性がより高いことを示しています。
このスプレッドがマイナス領域に入ったときは、
投資家が米国経済の拡大、ひいてはFRBの金利引き上げ
終わると予想し、今まで形成していた、利上げトレンド
の終焉を意味します。
今後のユーロドル先物の予想は
この逆転したユーロドル先物は、最新の経済予測とは
対照的となっています。多くのFRBの当局者は2020年に
1回か2回の利上げを予想しています。FRBの予想と実際の
市場の乖離がこれほどひろがったことは今までありません。
市場の見方と政策当局者の見方のどっちが正しいか?
引き続きFRBが利上げを示唆し、次のFOMCでも利上げ
の確率は相当高いです。しかし、長期エンドのところは
あたかも景気後退のサイクルがやってきたのごとくの
水準です。
そしてとうとう、ユーロドル先物金利では、利上げのペース
どころか利上げを示唆する価格となっています。
この予想の相違は、生産性の向上がさらなる成長をもたらすか
どうかについて、FRBと市場では違っていることに要因が
ありそうです。
どうも市場は、先の不安定さ、特にトランプ大統領という
誰もコントロールできない今まで経験したことがない
タイプのアメリカ大統領に対して、根強いリスクを
先取りしているように見えます。
たとえば、どんどんエスカレートしている、貿易戦争は
世界経済を脅かすどころか、景気後退に導く爆弾となりえる
という事実をユーロドル先物は先取りしているようです。
トランプ大統領の様子から判断するに、リスクオフの傾向
が強まることを想定したほうがよさそうです。