現在のポンドドル長期チャートは「ハードブレグジット」を示唆しているのか?
英国の欧州連合(EU)離脱が「ハードブレグジット(合意なき離脱)」
になる場合に備え、どの企業も準備を始めているようです。
米系大手金融機関ではこれまでに3億-4億ドルを費やしたと
いわれています。
イギリスのメイ首相のEUとの交渉は11月に期限を迎えようとしています。
いまのところ、北アイルランドの国境問題でEUとの合意が近づいたと
先日報道されていましたが、実際はまだお互いの思惑とは距離が
あるようです。
そこで、今回は純粋にデイリーGBPUSDチャートから、今後のブレグジット
について、そして今後のポンドドルの見通しについて
考えてみたいと思います。
現在のGBPUSDチャートが示唆していることは
こちら↓が現在のGBPUSDのデイリーチャートです。
見てわかるように、デイリーのチャートだと
ポンドドルは二番底をすでに形成していることが
わかります。そして、現在は二番底をつくったあと
上昇局面にはいっています。ただポンドの上値も
今年の動きとして上値が抑えられており、レンジを
形成していることもわかります。
そこで、長期のウィークリーチャートを見てみたい
と思います。
週ベースのチャートからもっと長い期間のポンドドル
のチャートを見てみると、今年は6月に高値を付けたあと
ダウンチャンネルに入っていることがわかります。
現在はいったん下値をつけた後、調整気味に戻していることが
わかります。ポンドドルは6月までの上昇トレンドと6月以降の
下降トレンドと極端な動きとなっていますが、テクニカル分析で
大事なのは、直近のトレンドを見ることが大事です。
それを考えると、ポンドドルは、まだ下降トレンドをまだ含んで
いる可能性があるといったほうがいいと思います。
チャートはハードブレグジットを示唆しているのか?
↑にも述べたように、チャート分析からは、やはりハードブレグジット
の可能性があるように見えます。
ウィークリーチャートからみると、6月からは、ハードブレグジットを懸念してか
ダウンチャンネルが続いています。
そして、現在は一時的な小休止状態のなかにあると思われます。
この調整期間が終われば、またあらたなトレンド形成がおこる
可能性が高いと思います。
この調整期間と現在英国とEUが交渉しているタイムリミットと
ある程度一致しているのではないかと思います。
この秋の交渉で決着がつかない場合、メイ首相は、二度目の国民投票
を否定していることから、結果的にハードブレグジットに進んでいく
可能性が高いと思います。
まとめ
英国は来年3月にEUを離脱しますが、合意なき離脱となれば
規則や規制、市場構造などが離脱時点では固まっていないことに
なります。ブレグジットに関しては不透明感があるものの、ポンドドル
はまだハードブレグジットを織り込んでいないように思われます。
デイリーチャートが示しているように、今年の8月からは、下値も
試しましたが、同時にポンドの底堅さも示しています。
いわゆる典型的な調整相場が続いていますが、この調整相場
が終わった後は、6月からダウントレンドが再開する可能性
が高いように、チャート上では示唆していると思います。