燻りはじめた米国量的緩和出口論、来週土曜日の講演注目
先週の米国10年国債利回りは、地合いが変わったかのうように、
大幅上昇となり、1.6%台の利回りが短期間で1.8%台を
上回ってきました。
その背景の一つとして、毎月850億ドル購入されている量的緩和
政策の出口が近いのではないかという思惑も台頭しはじめている
ことがあげられます。
例えば、ダラス連銀のフィッシャー総裁、フィラデルフィア連銀総裁
のチャールズ・プロッサー氏などは金曜日のインタビューで、現在の
850億ドルの購入プログラムについて柔軟に対応すべきであるとの
意見を表明しています。先月にはサンフランシスコ連銀のウイリアム総裁
がこの夏を示唆していました。
次の指標が強ければ、早ければこの夏から債券購入を減額する最初のステップ
を当局が目論んでいるとの観測も出始めているようです。
ある調査によると、55%のエコノミストがこの夏にFEDがアクションを
起こすとの見通しで45%が来年以降となっています。
思った以上に米国の債券購入プログラム出口論は高まっているような
感じがします。
来週の土曜日に上記のメンバー、そしてバーナンキ総裁の講演が予定されています。
とくに、バーナンキ氏が中長期的に経済の見通しをどうとらえているか注目される
ところです。