為替ボラティリティ指数(CVIXFX)が急落した理由と今後の予想は?
世界的なボラティリティの低下が顕著になっています。
それは、債券、株式そして為替の恐怖指数となる
ボラティリティが歴史的水準を下回って下落
しているのです。
債券市場の恐怖指数を示すMOVEインデックスは、
史上最低水準に落ち込んでいます。
そしてこれは先進国、エマージングの株式市場のボラティリティ
の低下とともに債券のボラティリティが落ち込み
そして為替市場のボラティリティも史上最低水準にまで
急落しています。
為替の恐怖指数CVIX FXが急落している理由は
為替のボラティリティが急落している理由には
以下4つの要因が考えられます。
それは、
1 米国金利に帰因すること。FRBが利上げの休止を示唆し、
中立金利の修正を示唆しました。このFRBの金融政策が
ボラティリティを左右する最大の要因となっているようです。
2 主要中央銀行の金融政策に方向感がなくなっています。
FRBは様子見を姿勢にシフトさせました。またECBとBOJは、
現状政策の維持あるいはもっと積極的な緩和姿勢をもって
います。
3 FRB、ECBそしてBOJを合わせたバランスシート残高は
数ヶ月前に多くの参加者が予想していたよりも、実際には
多くなっており、また長期化しています。
4 中国人民元は、米国によって人民元安を妨げられている
ように思いがちですが、意外にも、中国当局も、人民元の
安定を望んでいるようです。別の言い方をすれば、世界で
最も影響を与えている通貨が安定していれば、為替市場全体が
しばらくの間は落ち着いた状態になりやすくなります。
今後の為替の予想は
このような、低ボラティリティで恐怖感のない
市場がどのくらい続くのか疑問に思うところです。
この低いボラティリティが終了するときは、米国の経済サイクル
が下方に転換するときである、という意見が多くきかれます。
ドル円市場に目を向けると、この2ヶ月の間、110円から111円
の間のレンジで膠着状態があずっと続いています。
こんなにこう着状態が続くマーケットもしばらく目に
しませんでした。
大半の参加者は、ドル高円安のポジションを維持している
と思いますが、こnゴルディロック的な状態から解き放たれる
場合は、ネガティブ要因が引き金になる可能性が高いと
思っています。
その意味で、やはり市場を大きく動かすようになるには
思いがけないことが起きること、すなわち経済の
ファンダメンタルズでは、米国経済について、下向きに
転換する時が、為替市場も大きく動きだすタイミングに
なると思います。