点心債(ディムサム・ボンド)とパンダ債の違いと人民元円相場の見通しについて!
点心債とはなにか?
これは、主として中国本土以外で発行、流通している人民元建債券
を意味します。中国本土で発行される人民元建債券と比べて
外国人投資家への投資制限がないことが特徴です。
そのため流動性が高く、最近では中国政府の後押しもあって
発行残高が急激に拡大しています。
点心債とパンダ債との違いは?
発行体は中国ほんど居住者であるかそうでないか
の違いが点心債もパンダ債の違うところです。
も同じです。点心債の発行体はおもに中国政府、金融機関、そして
国営企業であることに対して、パンダ債の発行者は、海外企業
国際機関などですが、発行地域がパンダ債は中国本土である
ことが大きな違いとなります。
パンダ債については、海外居住者は投資不可となります。
パンダ債の発行者として有名なのは、国際金融公社、アジア開発銀行
そして民間企業によるパンダ債発行第1号はダイムラーです。
点心債市場が拡大している背景は
そのひとつとして、人民元建の貿易決済が増加している
ことです。そして2番目にあげられることは、
人民元取引の規制緩和です。
点心債市場の起債状況は、大企業が中心です。そして
その約7割が投資適格企業となっています。
時価総額は2兆円以上に達しています。
そしてなんといっても重要なのは、利回りとクーポンです。
点心債のクーポンは5%以上をつけています。
これは、現状の日本の利回りを比べると魅力的なように
見えます。平均格付けがBBB格なので、他の国の債券利回り
と比べても魅力的に移るようです。
点心債リスクはなに?
海外の債券投資なわけですから、当然リスクも
把握しておく必要があります。
点心債でとくにきになるなるのは、やはりカントリー
リスクです。
上記で述べたように、流通は海外で行われているものの
発行者は中国国内の企業や政府そして政府機関です。
これがいちばんの懸念材料で、順調なときはいいですが
中国は共産主義国家でもあるので、ルールが変えられて
しまうリスクも考えないといけないかもしれません。
人民元円相場への影響は
人民元円相場はこの2年間、こう着状態が続いて
います。
ほぼ15円と17円の間のレンジ相場ですが、やはり
中国当局が為替を管理している側面が強いので
大きな人民元高にはなりにくい感じがします。
なぜならば、中国は目先貿易問題が一番の問題点
であり、大きな人民元高になってしまうと、輸入業者
に不利益を被るからです。
別の言い方をすれば、当面の人民元相場は、安定
した動きが続くと言ってもいいかもしれません。
方向感のない動きというのは、別の言い方をすれば
人民元に投資する方にとってみれば、安心材料と
言えるかもしれません。
まとめ
点心債は格付けが比較的高いにもかかわらず、利回り
が5%を超えているという投資家にとっては魅力的
な投資対象にここ数年間なっています。
その背景には、人民元の為替が安定していることと
中国企業の好業績があるのはまちがいないですが、
問題なのは、ここからです。
点心債の投資対象が別のいいかたをすれば、中国政府
であるとの見方もできるわけで、実際の負債額が不透明とも
言われている中国の金融機関の状況を考えると
利回りだけに釣られていいのか、ここからは個人的には
警戒したいと思っています。