本日のECBドラギ総裁会見の発言を注目すべき点はなに?
ユーロ圏のインフレ率は2月に2%の節目に達し
ましたが、ドラギ総裁は、本日の記者会見で、基調的な
物価圧力は依然として弱いと認識を繰り返すことが
予想されています。
それでも、政策金利が現行水準か「さらに低い」水準に
長期間とどまるというECBのガイダンスを維持するかどうか
見極めるために、本日の冒頭の説明を警戒する必要が
ありそうです。
タカ派のコメントが強まっている
あるECBのメンバー先月、ECBはこの政策金利が現行水準か
「さらに低い」水準に長期間とどまるというECBの
ガイダンスを維持すするという文言を削除すべきだと
主張しています。
一方で、フィリップ・レーンECB理事(アイルランド中央銀行総裁)
はインタビューで、ECBは経済状況の悪化に対応する柔軟性
を持てるよう、文言を残すべきだと反論しています。
域内で揉めている意見
結局は域内の国別みると、インフレ率はアイルランドの0.2%から
ベルギーの3.1%とばらつきが大きいのが現状です。
しかもコアインフレ率は1%に満たないのが現状です。
またインフレ期待も昨年末に高まりましたが、そこからは
低下傾向にあります。
そのことから、ドラギ総裁は、記者会見でアイルランド寄り
の発言をするとの見方が、一般的となっています。
微妙な文書の変更ろその市場反応に注意
以上のように追加利下げを見込む向きはほぼ
いないですが、声明の文言に修正があった場合、
ECBが重点を置く部分にやや変化があったことを
示唆し市場は反応すると思われます。それは、実際
の利上げがまだ先であっても、金融政策は緩和的で
ない方向へゆっくり向かっているという意味と
受け止められ、ユーロのショートカバー要因に
なる可能性があります。