昨日のドラギECB総裁会見について
焦点の国債買い入れによる、量的緩和政策の決定に
ついては、総論ではその方向、しかし各論では総意
に至っていない、といった印象を与えたようです。
そこで、昨日のドラギ総裁会見のポイントをまとめて
みました。
一つ目の量的緩和の可能性については、さらに強く示唆して
います。とくに今回えECBのエコノミストが来年の
成長とインフレ見通しを下方修正したことが、それを
物語っています。
それを物語る表現として、ECBのバランスシートを1兆ユーロ
増やすことに、「予想される」から「意図している」の表現
に変えています。
三つ目に、量的緩和実現向けて、理事24人全員賛成がなくても、実施
できることの認識を示しています。
これは、ドイツを指していますが、今回の表現変更にも強い反対を
示していたようです。
四つ目に、ドラギECB総裁は、ECBの法的使命として、2%弱の
インフレを達成する義務があると指摘しています。そこから反対派
を抑え込む意図がありそうです。
五つ目に今回見送った要因として、原油価格の動向を指摘しています。
原油価格の下落が、成長インフレにどう影響するか見極めたいとの
意向を示しています。
結論からいえば、ドラギ総裁は、来年早々には、量的緩和に踏み切る
強い印象を与えてこの会見を締めくくったようでに聞こえますが
では、なぜ今できなかったのか?やはり反対派の強力な主張も感じ
とられる結果となったと思われます。