政策ルールについてFRBと共和党議会の対立は深刻化する、
FRBのイエレン議長は米議会幹部に宛てた書簡で、
FRBの緊急融資権限を制限しようとする共和党下院議員の
提案は「実質的に、危機下で行動するためにFRBに残された
能力を無効にするものだ」として反対を表明しています。
米下院では今週、「FRBに対する監督改革および近代化法」
と呼ばれる法案の採決が予定されています。この法案は経済全体の
借り入れコストを左右する短期金利の適正水準を決めるための
数式の確立をFRBに義務付けるものです。
複数の経済変数に基づき金利設定を
行うべきだとする「テイラー・ルール」のようなものを採用する
というのが共和党議会の案ですが、これに対してイエレン議長は
米経済に悪影響を及ぼすと非難しています。
FRBの緊急融資権限を制限する条項については、
「将来的に大恐慌や最近の金融危機と同規模の金融システムの崩壊に
直面した場合、家計や企業への信用の流れを後押しし、米経済が受ける
打撃を和らげるために、FRBが緊急融資権限を持つことは極めて重要だ」
と主張しています。
時に緊急時にFRBがフレキシブルな対応をとることができることを主張する
FRBとFRBの権限を、ルールの設定によって実質FRBの権限を形骸化しようと
する共和党議会との溝は深まるばかりのようです。