急落したWTI原油価格の現在見通しがロシアの間で異なる背景
ここ4日間で、WTI原油価格は73ドル近くのピークから
65へと約10%急落しました。
これは、約4ヶ月ぶりの最長の下落で、サウジアラビアと
ロシアが、2014年の水準まで原油価格が上昇した際、
消費者の不安を和らげるために生産高を上げることを
議論しているためだと言われています。
WTI原油価格を抑えたいロシア
サウジアラビアとロシアは、昨年1月に発効した
OPECと同盟国との間で同意した生産高削減の一部を
回復させることで一致した模様です。潜在的に反対の
意見をもつ生産者もいるため、来月ウィーンで開催される
会議でコンセンサスに到達するには障壁もあると思われます
がロシアは明白に、これ以上の原油高は、逆に国内経済
にとってまいなすえとなるという認識をもっています。
過去の原油価格と同じ動きに
過去のチャートを見てみると、原油価格は、2008年から
2011年におきたときと同じようなピーク時のパターン
を繰り返しているように見えます。
2011年に115ドルのピークを迎えた後、原油は30ヶ月間で115ドル
から75ドルのレンジ内の動きをしていました。今回同様な
動きになるには、70〜50ドルの間での動きが複数年続くレンジ
の動きとなることを示唆しています。
これは、ロシアのプーチン大統領が先週発表したことに
合致するものであり、60ドルの原油価格はロシア
に完全に適合し、彼らはそれより高くなることを望んでいない
のです。そのレベルを上回ると、消費者にはある種
の問題を引き起こす可能性があり、生産者にとって
も好ましくない、プーチンは語っています。 OPECとロシアは、
必ずしも既存の生産量削減に固執するつもりはないと、
プーチン大統領は述べました。
市場のWTI原油価格の見通しは
しかし、市場の基本的な見解は、原油価格が上昇するで
あろうという見方です。
OPEC /ロシアの対応がより明確になったとしても、
このヘッドラインは、石油市場がバランスを取るうえで
円滑な経路をたどっていることを示唆するものでは
ありません。。むしろ、市場で不足している原油水準、
需要の堅調さ、そして生産中断が続いていることで、
生産国の余剰生産能力があがり、結果として在庫が
減り価格上昇につながるという見方です。
まとめ
市場のWTI原油価格の見方は楽観的ですが、昨日も
原油価格は下げ止まっていません。
原油価格の見通しについては、やはり過去の動き
のパターンを踏襲するのではないかと個人的に
おもいます。
そのパターンでいくならば、当分の間原油相場は
50ドルと70ドルの間でのレンジを形成する可能性が
高いと予想します。