市場はとりあえず落ち着いたように見えますが、ユーロ円の戻りの目処はどの辺か
昨晩は商品市況の反発と同時にとりあえずポンドの下落も
株価の下落も小休止してリバンドして引けました。
イギリスのEU離脱による今後の展開は、政治的な側面と
経済的側面が複雑に絡みながら、とくに短期のトレード
が難しい動きが今後展開しそうです。
複雑化している理由は欧州の統合に脅威をもたらすからではなく、
欧州連合(EU)からの離脱を支持した者たちが、それにより得られる
条件について極めて非現実的な考えを持っているからのようです。
ギリシャは昨年の今頃、国民投票で欧州などの債権団が求める財政緊縮策を
拒否しました。債権団の要求受け入れ拒否を支持する陣営は、ユーロ圏に
確実に残りつつ緊縮策を拒否できると呼び掛けていました。
英国のEU離脱支持派の多くは今、EU予算の負担を止め、労働者の自由な
往来に扉を閉ざしても、欧州単一市場への自由なアクセスを維持できると
主張していました。
ギリシャが同じことを試みた時には、ユーロ圏にとどまるためさらに不利な
条件を受け入れることを強いられました。
貿易相手国としての英国を失えば、EU側の打撃の方が大きいですが、ドイツやフランス
の国民はもとより、幅広く貢献する加盟国が不満を抱えることになるような取引にEUは
合意することはないようです。
この複雑な交渉は、時間がかかるとされているので、市場は反応し辛く、いつまで
たっても出尽くし感が出てこない不透明な状況にシフトしてしまった
ようです。
ユーロ円は戻るかもしれませんが、その上値は前回の戻り高値の115円台半ばが
重いレジスタンスのように見えます。