娘婿のクシュナー氏のロシア関与疑惑でトランプ政権はさらに窮地に陥る?
先週、オバマケア代替案の提出を阻まれて、議会運営でも
脆弱性を露呈したトランプ政権ですが、以前から引きずっている
選挙中のロシアとの接触疑惑さらに窮地に追い込まれようと
しています。
トランプ氏側近6人がロシアと接近疑惑
トランプ米大統領の娘婿で側近のジャレッド・クシュナー氏が、
政権移行期にロシア国営銀行の頭取と面会していたことが
判明したようです。
これにより、2016年の大統領選開始から現在までにロシア政府関係者や
エージェントとして疑われている人物と接触したか、過去にロシアと
ビジネス関係があったトランプ氏の側近は、合計で6人となっています。
ロシアによる米大統領選への関与を連邦捜査官や米議会の二つの委員会が
調査する中、このつながりが政界で大きな注目を集めています。
経済制裁中のロシアとの取引疑惑も浮上
ロシア政府はトランプ氏が選挙で有利となるよう働きかけていたとされ、
一方でトランプ氏の側近もロシア側と結託していたとする疑惑もあります
がもっと深刻なのは、米政府はロシアのクリミア併合を受けて2014年に
対ロ制裁を発動していましたが、それは、ロシア国内の経済活動に関わる
VEBの複数の事業や個人もその対象となっていました。なお米財務省による
制裁は、対象リストに載っている銀行や人物などと金融上の接触を禁じる
などしています。クシュナー氏はロシアのセルゲイ・キスリャク駐米ロシア大使
とも会っていたことも判明しています。
クシュナー氏はこれら接触に関し、上院情報委員会で話す場を設けることに
合意していますが、この事実関係次第では、共和党内でもさらに反発する
議員がでてくることも予想され、トランプ政権は窮地になる可能性もあります。
マイク・フリン氏の証言にも注目
フリン氏が検察から訴追の免責を引き換えに証言をすることを
ほのめかしています。フリン氏はトランプ氏の選挙陣営の顧問に
就任する直前、ロシアの航空貨物企業やサイバーセキュリティー企業、
そしてロシア政府が支援するニュース組織「RT」などから数万ドル
の支払いを受けていたことも判明しています。
それでなくても求心力を失いつつトランプ政権に政策実行能力
懸念もさることながら、その前にトランプ自身のロシアに関する
疑惑に耐えられるのかという不透明感がさらに増していきそうです。