好調なISM製造業景況指数で反応したドル円と2年債が示唆していることは?
昨日の予想よりも強かったISM製造業指数の結果をうけて
2年債利回りが、大統領選挙後の高値まで達しました。
昨日発表されたISM製造業景況指数は57.8と前月の54.9から
大きく上昇、また予想の55.3よりもよい結果となりました。
これに大きく反応したのが2年債とドル円です。
短期が反応しても長期が動かず
2年債利回りは、2017年の高値1.42%まで上昇したものの、
長期の債券の動きは鈍かったです。
休日を前に取引量が少なく、また長期債については、週末の雇用統計待ち
の姿勢が目立っているようです。
2年債については次回の利上げ憶測にそって投機的なフローが
入っているのは明らかですが、ここ最近のFEDのタカ派的発言にも
かかわらず、現在の2年債の利回りの水準が次の利上げに確信を
もっていないようです。一方で中長期の米国債利回りは、3月の高値
に比較して、未だ低い水準のままです。
それは、インフレ指標が弱いことや、減税や予算の議題が滞って
いることも起因しているようです。
インフレに対しては自信がもてない
FOMCのタカ派的なコメントは2年債に対して売り圧力と
なっていますが、それでもまだ織り込んでいる水準では
ありません。
とくに長期債ににはそれほど売り圧力がかかっていません。
一般的なインフレに対抗するための金融引き締め局面では、
長期債の利回りが先行して上昇するが、現在の動きは長期債は
それほど売られずベア・フラットニングの動きとなっています。
現在の金融引き締め政策は、インフレに対抗するための利上げ
ではなく、金融政策の正常化を目的としたものと市場はみているよう
です。インフレ指標の上昇が見られない限り、仮に利上げがあった
としても、長期債の反応は鈍いままでだと思われます。
ドル円の反応は
ドル円の反応は、米国短期債と比例した動きと
なっているようです。
ドル円の動きは、目先の利上げの可能性が強まる
ことに反応しています。
週末の雇用統計まで、当面はドル円も底堅い
動きとなることが予想されます。