南アフリカランド(USDZAR)相場の2018年4月以降の見通しはドルが反転する様相
2018年も早くも第一四半期が終わり、4月に入ると
ドル南アフリカランド(USDZAR)の展開に異変が見え始めて
いるように見えます。
これは、ファンダメンタルズとテクニカル分析、すなわち
チャートから見えてきています。
南アフリカランドを取り巻くここ最近の背景は
南アフリカの2017年10月の「中期財政計画」で、
財政悪化見通しが示され、ランドは下落基調を強めました。
11月24日には、大手格付機関が南アフリカ国債の格付けを
投機的水準へ引き下げましたが、12月18日の与党・アフリカ民族会議
(ANC)議長(党首)選で改革派のラマポーザ副大統領が勝利したことを
受け、ランド相場は急騰しました。
2018年入り後もズマ大統領の早期退陣観測からランドは強含み、
2月14日に同大統領が辞任すると一段高となりました。
南アフリカランド相場は、2016年1月下旬以降に同国の主要産品で、
世界生産シェア第1位のプラチナなど資源価格が上昇に転じたことに伴い、
上昇基調に転じました。その後、プラチナ価格は2016年夏場をピークに
軟調に転じたものの、南アフリカ準備銀行(中央銀行)が金融引き締め
姿勢を維持したことで、ランドは堅調さを維持しました。
ラマポーザ新政権は、新年度予算案で財政再建策を打ち出し、
内閣改造では市場からの信認の厚いネネ元財務相を復帰させ、
ゴーダン元財務相を公共企業相として登用するなど改革期待を高めており、
南アフリカランドは2018年に入っても比較的堅調に推移して
いました。
ここにきてチャートに変化が
上のチャートは、左が2018年にはいってからのデイリーチャート、
右側が2016年からの週足チャートです。
とくに注目したいのが、ドル南アフリカランドのデイリーチャートが
ドルが底打ちしているチャートを形成しているところです。
左のチャートの赤丸が示しているように、二番底を形成しています。
これが意味していることは、ドルは現状抵抗線となっている赤いライン
を上抜けする体制が整っているように見えます。
右側の長期のチャートをみれば、ドルが下降局面に晒されていたこと
がわかりますが、今年に入ってから下げ渋っており、逆にドルが反転する
チャートを示唆し始めています。
ファンダメンタルズからUSDZAR相場の見通しは
3月23日に別の大手格付け会社は同国の格付けを投資適格に維持
しました。2018年4月現在、南アフリカランドは対米ドルで
12ランド近辺ですが、南アフリカランドは3月の利下げに続き、
5月の会合でも追加利下げを行う可能性が高いです。
一方で、アメリカは利上げの流れを維持しており、今年も
あと3回の利上げが予想されています。
この金利政策の動きからみても、ドル南アフリカランドは
過去とは違って、真逆の方向に動いています。
そのことを考えると、↑のデイリーのチャートが示唆している
ように、ドルは底固めをして、上値をトライしていく可能性が
4月から夏場にかけて高くなる可能性が高いと思います。