円キャリートレードと恐怖指数(VIX)の動きとの関係は?なぜ円高になるのか?
昨日の市場では、S&P500種指数が前週末比1.00%高と続伸し
CBOEのボラティリティー指数(VIX)は20%下落しました。
20%の下げは約4カ月ぶりの大きさとなります。
VIXはS&P500種指数を対象とするオプション取引の値動きを元に
算出されています。
基本的に、株価の動きが激しくなると予想される時にはこの
VIX指数は上昇し、落ち着くとの見通しが強くなるとVIX指数
は下落します。
北朝鮮情勢に敏感なVIX指数
先週は、米国・北朝鮮間で威嚇の応酬が続く中、米株価指数が
数カ月ぶりの大きな下げを演じていました。VIXは10日の取引で一時、
昨年11月の米大統領選以来の高水準をつけ、株価下落を受けて
投資家がヘッジに殺到した様子をうかがわせていました。
VIXの14日の下げ幅は4月24日以来の大きさでした。4月24日は
フランス大統領選第1回投票の翌日に当たり、この時も恐怖指数
が高まりました。
円キャリートレードとの関係は
VIX指数が上昇し始めると、円キャリートレードの巻き戻し
が起こりやすくなります。
なぜかといえば、投資家は低金利円を借りて、リスクの高い
株式や高金利通貨に投資しているからです。
リパトリエーションとは、そうしたポジションの巻き戻し
を意味します。
先週、北朝鮮の緊張が高まったとき円高に振れたのも
これが原因のひとつと言えます。
まとめ ~ FXでリスクをカバー
今週になってVIX指数が下落すると、それは、リスク選好を
意味します。すなわち株価は上昇し、ドル円は円安方向に
向かいやすくなります。その時は円キャリートレードは
促進されやすくなっています。
昨日は回復しましたが、現状のような地政学リスクが高まって
いる状況下では、VIX指数の上昇ととに円キャリートレードの
巻き戻しが起こりやすい状況になっていると思われます。
現在のように地政学リスクで情勢が急激に変わった場合には
個人でも外貨預金であるとか株式のポジションのリスクを
カバーすることが必要です。
恐怖指数をモニターしながらFX口座でリスクをカバーすることも
自分の資産を守るために必要なことだと思います。