共和党税制改正のレパトリ減税でドル高がさらにすすむ?
アメリカの企業はおそろしいくらいキャッシュを蓄積して
います。
しかし、その多くは、アメリカ国内で保有されていません。
先週公表した共和党税制改正法案は、企業全体に対して
一回のレパトリ減税に通して、アメリカへの資金回帰を
促そうとしています。
共和党が目論んでいるレパトリ減税とは
共和党のこの法案は、米国企業の海外資産を、1回だけの低い
税率でもって米国へ送還することを許可するものです。
計画に正確な税率はないものの、当局者は、10%前後に
落ち着くであろうと示唆しています。
どれくらいのキャッシュを保有しているのか
2017年第2四半期にアメリカの大企業24社は、途方もない
1.01兆ドルのキャッシュを保有しており、第1四半期から
1.63%増加した。
1.01兆ドルのうち80%以上は海外で保有され、それらは
社債や米国債券で保有しているようです。
ドル相場に与える影響は
レパトリ減税は、明らかにドル高要因となりますが
、しかし気をつけたいのが、米国企業のキャッシュポジション
のほとんどが、債券の形態で保有していることです。
その殆どがドル建てでの債券だと思われるので、レパトリ
によるドル高要因はごく一部であることが考えられます。
リスク要因としては、前もって期待したドル高ポジション
が今の時点でかなり集積している点です。
今は、共和党の減税法案が通過する前提でマーケットが
形成されているようなので、リスクとしては、議会で
法案が前に進まない場合のドル高コレクションも想定
しておくべきと思われます。