今日から始まるOPEC総会で生産上限設定はあるのか?
今日から始まるOPEC総会を前にして事前協議が始まっているようです。
OPEC加盟国は2日の総会を前にした非公開協議で、生産上限を設定する案を
再び検討しているようです。
サウジアラビアはここに来てOPEC全体の生産枠設定への支持を検討している
との憶測が流れています。
OPEC最大の原油輸出国であるサウジがこうした生産上限を支持する意向を見せたことは、
原油価格の暴落につながった供給過剰に直面ししつつも最高水準での生産継続を主張して
きた同国にとっ、大きな変化と言えます。
昨年12月まで、OPECは日量3000万バレルの生産枠を設定していましたが生産量はこの
上限を上回り続けていました。
市場は生産枠を一種の保証と受け止めていた。OPECが12月に生産量の上限を撤廃して
から数週間のうちに、原油価格は13年ぶり安値まで下落しました。
イランは、OPEC全体の生産枠を再び設定する案にイランは興味がないとし、
「OPECの生産上限を設定してもイランや他の産油国にとって何の利益にもならない、とした
うえで、国別に生産割り当てを設けることを主張しています。
生産上限を設定するとしてもどのような上限で合意すべきなのか、OPEC内では引き続き意見が
大きく割れており、全会一致の原則により上限を巡る協議は失敗に終わる可能性もあります。
協議に関わっているある関係者によると、ナイジェリア、カタール、アルジェリア、ベネズエラは
生産上限の設定を支持しています。
この関係者によれば、サウジアラビアは合意が成立すれば上限設定に賛成する意向だが、
OPEC産原油の市場シェアが拡大しつつあることを踏まえ、上限を日量3200万バレル
から3250万バレルに引き上げたい考えのようです。
アラブ首長国連邦(UAE)はイランが合意に従わない限り生産上限の復活には反対する
ようです。
こうしてみると、OPEC内の構図は変わっていなようですが、最大産油国である
サウジが方向を転換したことは、今後の原油相場にとってポジティブな要因となるかも
しれません。