今年を振り返って、そして今後のユーロ・ポンドに注目
今年の市場を振り返ってみますと、やはりユーロに振り回された一年だった
印象が強いです。ユーロの崩壊危機に直面しながら、EU首脳、ECBの対応を
模索、影響に反応するマーケットだったように思われます。
その意味では9月にECBによる国債買い切りのオペレーションが決定されて
以降の市場の地合いは変わっていったように見えます。そして先月ギリシャへの
追加融資支援のパッケージが決まり、またギリシャ国債のバイバックも無事終わり
ユーロのクレジット危機による騒動も一段落したように見えます。
今回はユーロの今後の動向をユーロ・ポンド中心に分析していきます。
? イギリスの格下げ間近?
? ドイツの景況指数が予想よりも強い
? ユーロ・ポンド相場はテクニカル的に重要な分岐点にいる
? 編集後記
イギリスでは、クリスマス商戦時期にもかかわらず、消費者信頼感は
悪化の一途をたどっています。先週末発表された消費者動向指数も悪化
している状況を示唆している結果となっています。
先月発表されたオータム・ステイトメントでも、最重要課題としていた
財政均衡を放棄せざるをえない経済の悪化を示唆していました。
来年にかけてトリプルA格の格下げも現実になりそうな状況です。
一方で最近発表されたドイツの景況指数は予想よりも好調です。水曜日に発表
されたIFO研の景況指数では前回の101台から102台後半に上昇、また先週
発表されたZEW景況指数ではマイナスの予想から一転してプラスに転化、そこから
ユーロの買い戻しが強くなっています。
ユーロ・ポンド相場のテクニカルなポイント0.8170のネック・ラインも
間近になっており、来年にかけてこれをブレイクするかどうかで相場の転換点
となりえる、チャートの形をしています。