今年いちばんの政治イベント、フランス大統領選で「国民戦線」のルペン氏が勝つ可能性は?
今年一番の政治イベントであるフランスの大統領選(直接選挙、2回投票制)まで
4カ月を切りました。
候補者の中で、その言動に特に注目が集まっているのが極右政党「国民戦線
のマリーヌ・ルペン党首です。
ルペン氏は“フランス第一主義者”を掲げ、反グローバル化、反欧州(EU)、
反移民などを主張しています。
それはトランプ氏の基本政策と多くの点で一致しています。
ルペン氏が大統領選で勝利する可能性は?
ルペン氏の選挙資金には、ある疑惑が囁かれています。
大統領選とその直後の6月に実施される国民議会(下院)選挙の資金の一部を、
ロシアの銀行が支援しているのではないかという疑惑です。
2016年末、大衆週刊紙「カナール・アンシェネ」は、「米国の情報局がルペン党首と
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領との関係を危惧している」と報じています。
これもまさしくトランプ氏のケースと同じです。
同紙によると、フランスの各銀行が国民戦線への貸付を拒否したため、
ロシアの銀行が貸付に応じた模様です。
ルペン党首はBFMTVとの会見で、外国の銀行に要請する以外なかったので
ヨーロッパ、アメリカ、ロシアの銀行に陳情したことを明かし、
「最初に承諾してくれる銀行があれば、そこにお願いすることになる」
と述べ、ロシアの銀行からの貸付を暗に認めました。
トランプ氏の勝利の陰には、ロシアからのサイバー攻撃やハッカーの関与などの
暗躍があったという報道がありますが、 ロシアはルペン氏も支援して大統領の
座に押し上げようとしているとの憶測があがっています。
ルペン氏とロシアとの関係が密接なことは、よく知られています。
2013年に初めてロシアを訪問した時には、ロシアの国家会議(下院)
のセルゲイ・ナルイシキン議長と会見するなど賓客として迎えられています。
その後、2014年、2015年にもロシアを訪問しています。
米国の情報委員会のメンバーであるマイク・ターナー共和党議員は、
「もしもルペンが勝利した場合、ロシアによるクリミア半島の併合
を承認するだろう」と指摘しているほどです。
ルペン氏がロシアによるクリミア半島併合を支持していることは周知の事実のようです。
ルペン氏は、大統領選に勝利した場合「ロシアにとって有益となるよう、
フランスは米国との軍事同盟を終わらせる」とも明言しています。
ルペン氏は国民議会議員選挙を比例制にするなど自分の党に有利な
選挙制度の変更も企てているようです。
比例制を採用している地方選挙や市町村選挙、欧州議会選挙で?FNはこの数年、
軒並み勝利してきた制度を 国政に利用しようとしています。
ルペン氏勝利の可能性は少ない
フランスの大統領選挙の制度を考えるとルペン氏が最終的に
大統領になる可能性は小さいと思います。
それはフランスの大統領選挙は第一回の投票で50%獲得できなければ
二回目の決戦投票に入るからです。
そこでは、国民戦線に反発する党が結託して国民戦線の大統領
を阻止する可能性が高いと思います。