今回のECB理事会の決定の総評と今後のユーロの動きは?
今回のECBの決定について、評価が別れています。
ひとつには、ドラギ総裁は当初5000億ユーロと予想されていた額を
総額1兆ユーロを超える国債購入を決定したことで、ポジティブ・サプライズ
と評する参加者がいる一方で、大半のクレジット・リスクを各中央銀行
が抱えるという今回のしくに対して、やはり疑問符を呈する総評も一方で
あります。 各国中銀がリスクを背負うという観点からすると、ひとたび
悪化すれば、それぞれとれるリスクはバラバラになることが予想されます。
肯定派の意見とすれは、購入資金はECBが工面するものであるので、
実質的にはECBが間接的に国債を購入しているのと同じ意味をもつとの
意見もありますが、実際には、今回の措置としてギリシャは少なくとも
夏までは、外されているわけだし、ユーロ圏の経済浮揚とデフレ抑制に
どれだけ効果があるのか疑問符のほうが大きいとされています。
また、規模に関しても、ヨーロッパでは、銀行融資が大半のなか、この国債
購入による量的緩和の効果は、実質アメリカやイギリスと比べると、5分の1ぐらいしか
ないとの試算もでています。
そう考えると、今回の1兆ユーロでも全然足りないということになります。
次なる焦点はギリシャの選挙後の動向で、新政権がユーロとの財政規律の約束を
放棄するのであれば、今回の国債購入の枠組みから外れているギリシャにとっては
なんの効果もないどころか、火種になることも否定できません。
為替ではこれだけユーロのショートがたまっていることがわかっているにもかからず
、今回の決定でさらなるユーロ安がすすんだということは、ユーロ圏はまだ打ち止めでは
ないということを示唆してるのではないかと思わさせられます。
ユーロドルは前回もみ合っていた、1.15台が現在は協力なレジスタンスに転化した
ようなチャートとなっているように見えます。