
中国利下げで企業に与える影響は?
中国が予想外の2012年7月以来の利下げを
実行しました。
貸出金利を40bp下げて5.6%、預金金利を25bp
下げて2.75%に下げました。
この予想外の利下げに欧米市場の株式を中心に
好感されているようですが、果たして実体として
中国の企業、とくに中小企業の債務問題に
どういった影響をもたらすのでしょうか?
今回利下げの目的は、企業の金利コストを
下げることも、含まれているようです。
しかしながら、統計よると、中国の中小企業の
80%が現時点で、債務とEBITDAの割合が
5倍を超えている危険水域にはいっています。
しかも、資本ストックが、20億ドルを下回っており
債務にくびが回らない状況に陥っている可能性が
高い状況です。
今回利下げで、こうした中小企業に、銀行が助け舟を
出す可能性が高いのか?といえば、かなりのクエッションマークが
つきます。
銀行は、不良債権に神経質になっており、仮に与信を増やす
とするならば、のこり20%の債務に括られていない企業に
しか余裕がなさそうです。
この問題を先送りにすることを嫌がって、金利の変更をしなかった
中国政府が今回利下げに踏み切ったのは、背に腹を変えられない
よほどの経済の落ち込みが背景にあるのかもしれません。