中国人民銀行が本土で人民元買い介入実施?オンショアとオフショアの格差広がる
元の対ドル相場は最近、中国本土内で取引される
オンショア元と香港で取引されるオフショア元
との間のスプレッドが広がりつつあります。スプレッド
は23日に0.0333元と10月初め以来の水準に拡大して
います。
スプレッドが拡大している背景
元の取引方法は、本土内では当局によって厳重に制限
されているが、香港ではより自由に売買することができ
ます。それでもオンショア元とオフショア元は通常ほぼ
同水準で取引されています。
これにより、中国政府が指示するペースで元相場を下落
させるという中国人民銀行の戦略は難しさを増してきて
いるようです。オンショア元とオフショア元は一方の
動きが他方の動きを増幅させることがよくあるためです。
この1週間にはすでに、人民銀の代理で動くことが多い
国有銀行の一部が元買い・ドル売りを実施していました。
中国人民銀はここ数日、諸通貨に対するドル高から示唆
される水準よりもやや元高方向に元の対ドル基準値を
設定しており、同行が急激な元安を避けようとしている
ことがうかがえます。
香港のHIBORは平常通り
今年の別の時期にオンショア元とオフショア元の
スプレッドが拡大した際、人民銀は香港市場で大規模な
元買いを行うよう国有銀行に指示していました。その結果、
元のHIBOR翌日物が高騰し、投資家は事実上、元売りを
禁じられていました。
ただ今回は、HIBOR翌日物はアナリストが平常とみなす
水準近辺にとどまっているので、本土外で介入はほぼ
実施されていないと考えられます。
中国は、今後資本流出規制を強くしてくることが想定
され、人民元安を阻止するためになんでもやってくる
可能性も