世界経済順調の一方で5月のアメリカと中国CaixinPMIの失速が意味するところは
世界全体のPMIは好調さを維持していますが、
肝心のアメリカと中国の5月の結果が失速傾向
にあります。
アメリカと中国以外の各国は加速傾向
アメリカの景況指数が2月をピークに勢いを失っている
一方で、ユーロ圏については、生産性、輸出、そして
雇用の改善が牽引役となって、ここ6年間でもっとも
良い数字を示しています。
一方で中国については、まちまちな数字を示しています。
中国当局が発表したCFLP PMIは、51.2と8ヶ月連続51を上回る
結果ですが、Caixin PMIは49.7と10ヶ月上昇が続いた後の
5月は失速していることを示していま。ただし中国の統計の
違いは調査機関によって統計方法の違いから現れるので
今回数字だけで判断することは難しいです。
世界全体では好調続く
ただ、世界全体的にみれば、とくに製造業を中心に良い状態
が続いています。
5月のPMIは、韓国と中国Caixinの
景況調査結果が縮小を示しましたが、一方でブラジルは26ヶ月
下落傾向の後、5月は52.0と好転しています。
ユーロ圏のPMIは、57.0とこの73ヶ月のなかでもっとも良い
数字となっています。
イギリスのPMIについては、56.7とBrexit以降の月平均値55.1
を上回る結果となっています。
北アメリカについて、カナダは55.1と15ヶ月連続で成長し
2017年前半の平均値54.1を上回っています。
メキシコについても51.2と47ヶ月連続で成長を示して
います。
アメリカと中国のピークアウトに注意
市場センチメントとしては、こうした世界の好調さ
を背景に前向きな見方が多く、株価も好調ですが、
大国であるアメリカと中国が勢いを失っている
ことに注意が必要です。
アメリカは、中国に対して今は貿易問題を表に出して
いませんが、トランプ自身が窮地に立つと外交貿易
問題を表に出してくることが考えてられます。
この二つの国が経済で衝突した場合には、一気に世界経済
のセンチメント冷え込むことが予想されます。
ここ最近、ドル円も失速し始めているのも、こうした
背景があるのかもしれません。