レイダリオ氏がポジションをショートしている理由とは!
レイダリオが率いるヘッジファンド、ブリッジウォーターは
1ヵ月前、驚くべき逆張りに転じ、今年4月に損失した後も、
大規模にリスクを落とす動き、すなわちポジションをショート
にしたことで、今年の業績が同業他者をアウトパフォームした
と発表しました。
レイダリオのファンドは、今年の120%から米国株式の
ネット買い持ち資産を約10%に減らし、全体の株式ポジションを
ネットショートにしたと報道されていました。
レイダリオがショートにした理由は
ブリッジウォーターの最近のレポートDaily Observations
によれば、「2019年は、FRBの引き締め効果がピークを迎える一方で、
財政刺激策が後退しているため、危険な年となると指摘して
います。このことは、インド中央銀行のウルジット・パテル総裁
にも同調され、FEDがバランスシートの縮小を続けていれば、
トランプ政権の予算を充てるために多額の国債を発行して
ドル流動性を吸収している時に、金融情勢を厳しくし、
新興国市場発の世界的な大惨事につながる可能性がある、と
述べています。
市場は「ゴルディロック」を前提に
ブリッジウォーターは、世界は、2020年の初めに2.4%の成長、
3.0%の米国債10年利回り、2.8%のフェッドファンド金利を
市場が織り込んでいると指摘しています。これは、本質的に
完璧水準に近い期待成長とインフレを伴う現在も状況の外挿で
すが、イールドカーブはフラット化に、原油は62ドルに、
ドルは先進国通貨に対して3.5%下落するようにすでに価格設定された
上での市場ができていると指摘があります。
世界の市場が期待していることは、インフレがFRBの2%目標を
わずかに上回る程度のかなり良質な水準に留まり続けることであり、
オプション価格からみれば、投資家は潜在的に経済バブルが
終わることに対するプロテクションの需要もないようです。
一方で、次の景気後退の可能性を示す、実質的なデフレの
可能性もまた示していません。
まとめ
レイダリオ氏は言うまでもなく、この市場の状況に
懐疑的です。なぜならば、このベストな環境を市場が
すでに織り込んでしまっているからです。
ということは、仮に現在のような低インフレのなかで
経済成長が継続するにしても、ここから上昇する余地は
限られているといのが、レイダリオの考えのようです。
市場に織り込まれたこの穏やかな価格構成が実際に最後まで
続くのかどうか疑問をもつほうが、実際に儲かるチャンス
は大きいというのが、カリスマトレーダーの考えのようです。