リムパックとは?南シナ海で招待されなかった中国とアメリカの関係は悪化する?
アジアに関しては、北朝鮮問題ばかりが取り上げられて
いますが、じつは最近、南シナ海でアメリカと中国の
緊張が高まっています。
アメリカ海軍の艦船2隻が、中国が主権を主張する南シナ海
の西沙諸島周辺を航行しました。
それを受けて中国政府は、これを非難する声明を出しました。
リムパックに招待されない中国
米中間では、貿易摩擦や北朝鮮の核問題を巡り、緊張が
高まっています。
中国の外務省と国防省はそれぞれ声明を発表し、アメリカの
艦隊が領海を侵入したことに、中国の主権を侵犯したとして、
「断固とした反対」を表明しました。
同国国防省の報道官は、「中国軍は即座に行動をとり、
米艦船を確認するため艦艇と軍機を派遣し、両艦に
対し立ち去るよう警告した」とし、両艦は「許可なく」
中国の水域に侵入したと抗議しました。
一方で、アメリカ政府は、中国が戦略上および商業上
極めて重要な南シナ海水域で主権を主張するのは行き過ぎだと
みており、これに対抗するため航行の自由作戦を実行して
います。
いわゆる、アメリカは、中国に対して牽制しているのです。
今後南シナ海で米中間の緊張が高まる?
今回の航行作戦が行われたのは、米軍主導で行われる太平洋上
の国際海上訓練「環太平洋合同演習(リムパック)」への
中国の招待を取り消す判断を下した直後でした。
ただし当局者によると、航行作戦自体は、招待撤回の決断の
数週間前から計画されていたようです。
27日の航行は、米中関係がぎくしゃくしている時期に行われ
ています。米中関係は、貿易不均衡や北朝鮮に核放棄を迫る
国際的な取り組みを巡る対立で、既に悪化していました。
南シナ海は、中国、台湾、ベトナムによる領有権の主張が
交錯しており、これまで中国の軍事機能増強の焦点になって
きました。
米国の国防総省は今月、米軍主導のリムパック(環太平洋合同演習)
への中国の参加招待を撤回しました。
南シナ海域での軍事化・要塞化の停止を中国が拒否している
ことを撤回の理由に挙げています。
今後市場への影響は
中国の王毅外相は、米国務省訪問の際、記者団に対し、リムパック
への中国の参加を拒否するのは、「極めて非建設的な動きだ」
と述べ、アメリカへの批判を強めていますが、トランプ政権の
ネオコンたちは、もともと中国に対する強硬派です。
中国との貿易問題もそうですが、北朝鮮との会談がうまく
いかなかった場合、中国への圧力を強めていくことが
予想されます。
こうした、あまり注目されていなかった南シナ海問題でも
米中間が反発を強めているということは、今後市場には
リスクオフになる材料となる可能性があると思います。