ユーロ相場の調整がきた。
前回、オーシレータ分析では明らかにこのヒートアップしすぎているユーロ相場
の調整がどのタイミングでくるのか、考えられるシナリオをあげてみましたが、
今週、ユーロ円で127円から123円台へ、ユーロドルで1.37から1.33台
へ急落しました。
一番急落のきっかけとなったのは、ドラギECB総裁のやんわりとしたユーロ高牽制
発言、そして麻生財務大臣の昨日の予算委員会での発言で今回の円安修正のきっかけ
となっています。
ただ昨日の麻生大臣の発言は、”為替も意図しないぐらいに”を英語では、
”more than intended” と訳され、円相場は急降下、その後”more than anticipated” と
訂正され為替市場も乱高下するといういささか荒っぽい展開となっています。
以前、円相場が注目を集めていたころはこういった訳の違いによって乱高下する
ことがよくみられましたが、今回もわかりづらい日本の政治家の発言によって市場が
反応するという、典型的な政治相場となっています。
ドラギ総裁の発言も、ユーロ高に対する懸念というよりは、よく読んでみると、一般論
を述べているだけで、これでユーロが反応したことは、いかにユーロが買われすぎて
いて、調整するタイミングをさぐっていたように思われます。
気になるのは、ユーロはファンダメンタルズではドイツとフランスとの間で景況感の差が
乖離しており、株価もこの一週間フランスを筆頭に下げ幅が大きいということです。
もう一つの懸念材料であるイタリアの選挙を今月に控えて、ユーロは中長期的にも買いなのか
それともここからの上昇は限られているのか、見極める大事な局面に来週からさしかかって
いるように思われます。