
ユーロ周辺国も少しきな臭くなってきた?
エマージング市場のトリプル安が、市場全体を圧迫しているように
みえます。
そんななか、ユーロ周辺国でも少しきな臭くなってきました。
一つはギリシャです。ギリシャは48億ユーロの財政の赤字を埋めるべく
IMFの債務免減を要請していますが、その源泉の柱の一つであったガス公社
DEPAの売却入札がここにきてキャンセルされたようです。
このガス公社売却入札で有力視されていたガスフロム社がDEPAの財政悪化状況
を懸念して入札を見送る公算が強くなりました。
これで見込まれていた約9億ユーロの歳入に穴があくことになり、IMFからの
支援条件を満たすころも怪しくなってきます。
差マラス政権は大規模な歳出削減を目指して公共放送の再編をはかっていますが
これがまた大混乱に陥っています。
放送停止を力づくで迫ったサマラス首相に与党内からも大反発を食らっており
連立与党自体も危うまれる自体です。
ただこうした政治混乱が起きても、ECBによるOMT(債券購入プログラム)による
安心感がユーロは危機に陥らないと楽観論がありますが、このOMTに対しても
ドイツ憲法では違憲であるとのドイツ国内では反発もあり、秋の選挙にむけて
火種を残すかもしれません。
トリプル安に陥っているエマージング市場からユーロ周辺国へと、リスクオフの
ムードがしばらく続くかもしれません。