ユーロポンド相場の2019年ブレグジットに向けての見通しは!?
ブレグジットの行方がますます混迷を深めてきました。
絶対にイギリス国民の誰にもアピールしないと
わかっているEU離脱をまとめようとするならば、
先週水曜日に公表された、585ページにも及ぶ
合意案に英国が従うしかないように思われます。
ブレグジットが混迷している理由は
EU離脱に投票した英国人はEUから支配を
取り戻そうとしていました。しかしこの合意は
著しくそのコンセプトを欠いています。EUは効果的に
英国の貿易をコントロールし続けることができます。
このコントロールは、少なくとも移行期間の終了時点
2020年12月までは続きますが、現実的にはそれ以降
続く可能性が高いです。英国が真にEUから離脱
するためには、アイルランド国境問題に対する
実行可能な解決策を見出す必要がありますが、そのような
解決策が存在しないのは見ての通りです。
一方、EUに留まることに投票した英国人は、先月2度目の
国民投票を要求して行進している70万人の人びとを含めて、
EUのメンバーに残り、EUの投票権をもち影響を
残したいと思っています。しかしながら、この合意によって
EUへの投票権も2019年3月29日に消滅します。
英国に残された選択肢とユーロポンドの見通しは
メイ首相が、英国には3つの選択肢に直面している
と言及しています。すなわちこの合意案で英国が承諾すること、
2つ目は、合意なしでのEU離脱、そして3つ目はEU離脱を
撤回することです。問題なのは、どの選択肢も英国議会
そして与党である保守党でさえ同意が得られないことです。
経済的観点からすれば、EU離脱撤回がもっとも良い解決方法に
みえますが、もし英国がEUにとどまる方法を見つけた場合、
金融も産業もほっと一息つくことになり、ポンドは上昇する
と思われます。したがってユーロポンドは下落することに
なると思われます。また他の27か国のEUメンバーを歓迎を
あらわすと思われるので、市場にとってもいちばん安定する
シナリオだと思われます。
一方で、合意なきEU離脱となった場合は、言うまでもなく
最悪の結果になり、2度目の国民投票が実施されない限り、
あと131日で英国はEUを離脱することになります。
その場合のユーロポンドは、ユーロ高ポンド安に働くと
思われます。
メイ首相が選択しようとしている案は、政治的よりも
経済を重視しようとしています。ブレグジットは経済的にも
良いとは言えないですが、対EUで英国の地位に関する
不確実性を実際に取り除くことは不可能であり、
サービス産業における多くのビジネス、とくに金融サービス事業に
とっては大きな打撃となることが予想されます。
まとめ
危機が常態化してきており、実質的に131日のうちに、
英国の政治的扇動が高まり、政治的に危険な状況に追い込まれることが
予想されます。このまま英国議会が承認しないままで突き進めば
金融市場が不安定になり、ユーロポンドも乱高下することが
予想されます。ブレグジットの決着について、最終的に
どうなるかだれもわかりませんが、ここから、2019年3月に
向けてユーロポンドは、方向感のない動きに終始することが
予想されます。