ユーロポンドはブレグジット延長で重要な抵抗線をブレイクしたのか?そして今後の予想は?
ポンドは、メイ首相が議会に対し、合意なしでのブレグジットを
避けるプランBのブレグジット案を議会にかける予定ですが、
仮ににこの案が否定された場合には(おそらく否決されるであろうが)
ブレグジット延期について議会の投票にかけることを示唆した
その後に急上昇しました。
ブレグジット延期の背景
メイ首相の言及については、彼女の案に批判的な勢力への
大きな譲歩であると報道される一方で、メイ首相は、議会の
明確な承認なしてで合意なきEブレグジットをしないと言及
しましたが、完全に合意なしでのブレグジットを否定
したわけではありません。
ブレグジットを建機するまえに以下の投票が待ち構えています。
それはまず3月12日におそらくプランbの投票が行われ、
もし否決されれば、合意なしでのEU離脱を可能とする
修正案を3月13日に議会にかける予定です。もしこれも
否決されれば、3月14日にEU離脱を延期するかどうかの
修正案が投票にかけられる予定です。
メイ首相は、仮にEU離脱日が延長されたとしても、
英国がEU議会選挙に参加することを防ぐために、これは
短期間で限定されたものになると主張しています。
ブレグジット延期は実現する?
これらのメイ首相による譲歩にもかかわらず、
メイ首相に相対する批判家たちは、国会議員たちを
混乱させメイ首相の案を受け入れるように誘導しようと
企んでいると警戒しています。
たとえこれが彼女の政治的駆け引きで彼女の案に
賛成させる手段であったとしても、もし議会が合意なしで
のEU離脱を否決するだけなく、EU離脱延期も否決した場合には
メイ首相の面目は台無しになることが予想されます。
メイ首相は、2年間頑固にも彼女の交渉戦略に固執して
きましたが、最終的には、いくつかの保証を提示し、
内閣や下院議会で批判派に不本意ながら屈服することに
なりました。イギリスポンドはこのメイ首相の動きに
好感したわけです。
ユーロポンドの反応は
ユーロポンドの動きは先日、労働党のコービン党首が
2回目の国民投票を求める修正案を慎重ながら
検討することを示唆し、一方でメイ首相は、
EU離脱日を延期する可能性について閣議に
かけることを示唆したことで、2017年6月以来の対ユーロで
高値を更新しました。
メイ首相は、”必要ならば、合意なしでもEU離脱を成功できる“と
コメントし、合意なしブレグジットの選択肢を排除することを
拒んでいますが、イギリスは、議会の承認のもとのみ、
合意なしでのブレグジットが可能となることを約束
しました。そして合意なしでのEU離脱案の投票後にEU離脱日
の延期について議会にかけることを約束しています。このニュースは、
イギリスポンドにとって後押しとりました。
ユーロポンドの見通しは
ユーロポンドの見通しで大事なことは、
EU離脱延長がすでにポンド相場に織り込まれているか
どうかです。もしすでに織り込まれているのであれば
どのくらいの期間となるかが注目されるであろうと思われます。
一方で、実際に取引が成立するまで、ポンドの長期の
買い戻しは起こさないであろうとの顧客の動向を見ている
投資家もいます。
いずれにしても、このチャートが示す通り、ユーロポンド
はテクニカル的に重要な分岐点にさしかかっており
もしこのレジスタンスをポンドがブレイクすることに
なれば、ポンド高ユーロ安の本格的な流れがくる
可能性があると思います。