メルケル首相の連立政権混乱でユーロドルの下落続く
ドイツの総選挙が結果が出た後もユーロの下落が
止まらなくなっています。
メルケル首相が所属するCDU CSUは、第1党の位置は
保ったの、議席を大きく失いました。
連立交渉に難航するメルケル首相
ドイツのメルケル首相が率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)
は月曜日、前例のない3党での連立に向けた交渉に取り掛かって
います。
しかし、同盟を組んでいるより保守的なCSUは、ナショナリスト的
な政党の勢いに動揺し、移民や治安の維持について以前より強硬な
主張に転じるなど連立交渉は困難に直面しています。
前日の連邦議会選挙の結果、CDU・CSUは過半数
を占めることができませんでした。CDU・CSUと
親密な産業界寄りの自由民主党(FDP)の議席数を
合わせてもなお過半数に届かない。過去4年間連立を
組んでいた中道左派の社会民主党(SPD)はこの日、
連立から離脱する方針をあらためて表明しています。
迷宮入りしたメルケル首相
その結果、メルケル氏には環境保護を中心政策に掲げる
緑の党と自由民主党と今まで連邦政府では組んだことが
ない三党連立を組むしか実質的に選択肢がありません。
緑の党は、移民にも欧州連合(EU)にもリベラルな政策を
支持しており、自由民主党やCSUの政策とは食い違っています。
メルケル首相の身内からも反発が
メルケル氏は、ベルリンの党本部での記者会見で「ドイツに安定
した政府がが重要だ」と述べていますが
バイエルン州を本拠とする地方政党で、CDUと
統一会派を組むCSUからは、強い不満の声が強まっています。
CSUの同州での得票数は4年前の49%から39%に低下し、
いっぽうで、反移民を掲げる「ドイツのための選択肢(AfD)」
は12%を獲得しましまた。そしてバイエルン州は来年選挙を
控えています。
ユーロドルの下落は続く?
こうしたなかで、連立合意ができるまでは少なくとも数週間を要する
ことが考えられます。
場合によっては冬まで合意に至らない可能性もあるといわれて
います。
どちらにして、打つ手がない状況のメルケル首相の新政権は
そもそも、連立政権が可能なのかという疑問もあり、さらに
不透明感を増すことが考えられます。
そうしたなか、今月の半ばくらいから下落に転じている
ユーロ相場の予想は、政治的な無風を見込んでのユーロが
上昇していただけに、ドイツの連立政権の発足の目処がたたない
状況においては、ユーロは売られやすい展開が続くと
おもいます。