メキシコペソ円(MXNJPY)の2020年もスワップポイントで稼げる見通しの背景は!?
いよいよ2020年の幕開けとなり、重要なのは
今年どの通貨のFXが効果的なのか見通しをたてる
ことです。2019年のFXを振り返ってみると
主要通貨は金利の旨味もなく、狭いなかでの動きに
終始した年となりました。そこで、どうしても焦点
があたるのが、金利の高い新興国通貨ですが、日本
のFX業界のなかでは取引量の多い、メキシコペソに
ついて、2020年の見通しを紹介してみたい
と思います。
目次
2019年のメキシコペソの動きを振り返ると
2019年のメキシコペソのスタートは、2018年の末に2度利上げ
したところからはじまります。
2018年11月と12月に2度、メキシコが連続利上げを行ったことによって、
メキシコペソ の下落は止まって上昇気流に乗りました。
2ヶ月間連続で利上げを行ったことでメキシコの金利水準対する
魅力が高まったことからメキシコペソは上昇したと考えられます。
しかしながら、2018年12月〜2019年5月末までの6ヶ月間で、
メキシコペソ は乱高下を繰り返しました。
しかしながら、その後メキシコペソは安定しており、ここ3か月
の動きは上昇基調となっています。↓
(チャート:楽天証券より)
また2019年の1年動きをみても、前半と後半とではまったく違った
展開となり、2019年の夏場以降は上昇トレンドにシフトしています。
他の新興国と対米貿易に影響されたメキシコペソ
2019年3月にはトルコリラ の急落によって、メキシコペソも
足を引っ張られて下落しました。
なぜならば、新興国通貨はひとくくりに見られる傾向がある
からです。というネガティヴな思考を投資家が抱き、リスク回避の
考えが強くなって売りが強くなります。
もともとメキシコはアメリカから追加関税を受けており、トランプ大統領の
言動などによって乱高下を繰り返していましたが、2019年5月17日に
米政府が対メキシコ追加関税を撤廃しました。これによってメキシコペソ
は大きく戻しました。
それに対してメキシコ側もアメリカに対する報復関税を撤廃したことによって、
投資家心理が安定したようです。
しかしながら、5月22日に米中貿易摩擦がさらに悪化して、
メキシコを含めて世界経済に悪影響が及ぶとの懸念から、世界各国
の通貨は大きく下落をしました。
5⽉30⽇にトランプ⽶⼤統領は、不法移⺠対策が不⼗分だ!メキシコの全輸⼊品
に追加関税を検討する、と発表したことでまた下落とするという、2019年
の前半は乱高下する展開となりました。
アメリカにようる追加関税が課されたら、メキシコの負担が大きくなって
為替も下落するのではという憶測が市場を占有したことが
原因です。
そして、2019年の後半についてはトランプ大統領による
追加関税発動を回避するため、メキシコはアメリカに対して
交渉を続けている段階であり、現在は小康状態となっています。
メキシコ国内の政治的要因
メキシコといえば、やはり国内の政治的要因も大きく影響
してきます。ロペスオブラドール大統領の今後の活動が不透明なので
この点がメキシコペソに対して不安をもつ要因のひとつ
です。
どちらかといえば、ロペスオブラドール大統領は、経済界との協調性よりも
実際には大勢の人の意見を聞く政策方針に傾いています。
具体的には国民への意見調査の結果をもとにメキシコシティ空港の
代替施設の建設中止を決めたのがいい例です。
このようにロペス大統領の大衆迎合主義的なところが、海外の
投資家からすれば、注意するポイントだとみているのです。
メキシコの今後の金融政策が大きく影響を及ぼす
メキシコ中銀は前回会合に続き利下げを決定しました。これは
メキシコペソにとってはネガティブ要因ですが、
インフレ率が低い値で推移していることから、国内景気下支えのため、
さらなる利下げを実施する可能性が高いとの見通しが高まって
います。
利下げされてしまうと、新興国通貨の特徴である高金利のメリット
がとれなくなるため、最初のアクションとしては、売られる展開
となりやすいのです。しかし、この情報というのは、すでに市場
で消化しきっている可能性があります。
要するに市場はすでに織り込み済みなのです。
これが意味しているところは、すでに織り込み済みの価格に
なっているとうことです。
つまり実際に、メキシコが利下げを行っても、この材料で下がる
余地は限られている可能性が高いことになります。
むしろ利下げをしなかった場合は、市場の予想に反してプラスに
為替が動く可能性が高いのが、市場でよく起きる現象です。
対米関係が改善中!?
米国のクリストファー・ランドウ駐メキシコ大使は、両国国境を
越えて取引される違法な武器、麻薬、資金の取り締まりを強化するため、
米がメキシコと税関業務で協力する方策を検討していると語っています。
アメリカは、協力策を話し合うため、ウィリアム・バー米司法長官が
来年1月に再度メキシコを訪問する見通しのようです。
同長官は今月初めにもメキシコでロペスオブラドール大統領らと会い、
治安、武器密輸、マネーロンダリングなどの問題を話し合っています。
2020年のメキシコペソ円の見通しは明るい!?
メキシコペソ円にとって明るい材料は米国が利上げを行う可能性が低い
ことです。これは、金利の高い新興国通貨にとってはメリットになると
思います。アメリカは、大統領選の年となる2020年は
長期に渡って利上げを行う可能性は低いと考えています。
とうことは、金利を旨味があるメキシコペソにお金が向かいやすい
環境であることが言えます。
基本的にこの構図が新興国通貨の見通しが占ううえでよく当てはまります。
『米国が利下げをする』→と『米ドルの金利に魅力がなくなることから、リスクを
とりに高い通貨などに資金が向かいやすくなる→ということは結局のところ
メキシコペソ の見通しが明るくなるという構図です。
そしてもっとも重要な対外的要因ですが、その大きな要因は貿易問題です。
メキシコはトランプ大統領とのあいだで新たな北中米貿易協定を結ぼうと
しており、この行方がメキシコペソに影響してくると思います。
これについては、2019年の間で妥協点を見出しており、あとは
米議会の行方しだいだと思います。
以上のことから、2020年のメキシコペソは、上昇はしないまでも
このスワップスプレッドを享受できるような、大きくは下落しない展開
が続くのではと思っております。
まとめ
まとめると、2020年のメキシコペソ円相場も大きな下落は
なくレンジを1ペソ=5.4~6.2円になると予想しています。
(チャート:楽天証券)
↑はここ2年間のメキシコペソ円のチャートですが、大きな
方向感はなくレンジの動きに収まっています。
どちらかといえば、テクニカル的にも2番底を形成し
底固めしているようにも見え、2020年は、どちらかと
いえば上を見ていきたいと個人的には思います。
何か米中貿易摩擦のような、大きなマイナス要因になる
ニュースがなければ、逆に安定していくとの見通しです。
ロペスオブラドール首相とトランプ政権との関係も比較的
よく、メキシコペソ円のスワップポイント分は持ちこたえる
のではとの楽観的な見方をしています。
メキシコペソ投資ならスワップポイントが重要です!
メキシコペソに長期投資する場合は、スワップポイントのよい
ところに着目すべきですが、このポイントからすると
↓のFXが新興国通貨のスワップポイントでは優れています。