メイ首相のブレグジット挫折の可能性で為替(ポンド)の影響は?
メイ首相は、トランプ大統領と記者会見を開催しましたが、
EUのブレグジット担当の重要人物であるミッシェル・バーニエ氏は
EU離脱プランに応じてワシントンにいました。
メイ首相のブレグジットが頓挫している理由
メイ首相は彼女のソフト路線EU離脱計画に対して内部の
反発に直面していましたが、それでもまだEUから受け入れ
られていません。さらにEUはメイ首相が失脚することを
望んでいません。またイギリスのEU離脱でなんの取引が
行われないことは、欧州にとってもダメージとなります。
商品、資本、サービス、労働者が大陸周辺を自由に行き来できる
EUの単一市場にあって、メイ首相は物の流れの中で
単一市場に留まることを望んでいますが、サービス、そして
人々の自由な移動を開始することは望んでいません。
EU側のバーニエ氏は、カーネギー基金でのスピーチで、
単一市場をEUの「最大の資産」と呼び、柔軟性の余地はないと
述べています。
彼はまた、「このBrexitが特殊になるためにすべてを行う」ことを
計画していると言い、他の国々がEU離脱を誘発するような
取引をメイ首相に与えないことを示唆しています。
2度目の国民投票の可能性あり
メイ首相はEUに譲歩しなければならず、またその取引を議会に
かける必要があります。保守党は分裂し、労働党はメイ政権を
終わらせることを狙って「no」と投票する可能性があります。
そのことは、英国議会が割れることを意味し、新たな選挙が
行われる可能性を意味します。あるいは、二度目の国民投票を
行ってブレグジットを改めて国民に問う可能性も出てきます。
為替ポンドへの影響は
個人的に思うことは、イギリスがブレグジットから頓挫
することは、ポンドにとっては、ポジティブな材料である
と思います。ポンドにとって最悪な事態は、EUとの
なんの取引がないままで、EU離脱を強行してしまうことで
市場は、このことをいちばん恐れていると思います。
今のメイ首相に置かれている状況は、首相別邸チェッカーズ
の合意と言われている、メイ首相の穏健路線のEU離脱
を選ぶのか、それともハード路線の離脱を選ぶのかの
分岐点にあり、仮に保守党内で折り合いがつかない場合は
メイ首相は新たな選挙に打って出る可能性が高いです。
その場合においても、ブレグジットについては、なくなるか
あるいは、メイ首相の続投となるので、ポンドにとっては
好材料になると思います。